レクサス「RX」マイチェン版試乗。長期的なブランド戦略は理解できるが鮮度が心配
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:編集部 150
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独立2座のセカンドシートは、座り心地自体が特別優れているわけではないが、空間を贅沢に使っているため居心地は悪くない。左右の2列目にだれかがふんぞり返った状態であっても、3列目に大人がふたり座ることができるだけのスペースが確保されている。ただしRXの3列シートモデルはホイールベース(前後輪の距離)ではなくリアオーバーハング(後輪よりも後ろ部分)を延長して3列シート化したため、3列目についてはCX-5に対しホイールベースを延長したCX-8ほど足元に余裕があるわけではない。
久々に乗ってみて、RXは依然魅力を保っているとは思うが、鮮度はなくなった。今回のマイチェンではスタイリングにも手が加えられた。大型スピンドルグリル内部がL字モチーフのブロックメッシュとなり、ヘッドランプユニットは小型化されてより尖った形状となってLSやESのような最新のレクサス顔となった。
けれどその差はレクサスウォッチャーでもないと気づかない程度にとどまる。細かく年次改良を重ねながら鮮度を保ち、ひとつのモデルを長いサイクルで販売するレクサスのスタイルは、買ったモデルがすぐに姿を大きく様変わりしないという意味で既納客にはうれしいが、初めてレクサスにしてみようかなと考えている潜在客にとっては、思い切って飛び込むきっかけに乏しい。
長期的な戦略でブランドを構築しようとしているのはわかるが、悠長に構えすぎていると、スタイリングもメカニズムもモデル展開も目まぐるしいほどにテコ入れしてくる近頃のドイツのプレミアムブランドに全部もっていかれかねないのではないかと心配になる。ドイツ勢の動きは、あれはあれでかえって危機感を浮き彫りにしているようにも見えるが。
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