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ホンダ クラリティPHEVは今出すべき高級セダンだったのか?

3.0L並の加速力と長いEV走行レンジが自慢

クルマのスペックから見ていこう。クラリティPHEVは17kWhものバッテリーを床下に積み、カタログ数値のJC08モードで航続距離は114.6km、WLTCモードで101kmを誇る。試乗車で確認するに、実際の航続距離は満充電で65~80km程度に落ち着きそうだ。その電動ドライブの動力源には、最高出力184ps、最大トルク315Nmという、自然吸気エンジン換算で排気量 3.0L級の加速力を発揮する駆動モーターが活躍する。

街中での加速などは一切のストレスはなく、高速道路の追い越し加速はもちろん、飛ばし屋が常用しそうな速度域でも必要十分だろう。しかもその加速は、変速感がないのは構造上当然として、アクセル操作にとても素直でどこにも段付き感がなく、滑らかな速度変化が高級感や上質感を高めてくれる。滑らかで上質な世界観はガソリン車では得られないものであり、高級セダンとしてのクラリティのベースを作り上げている。

電動モーターは高速領域で加速の伸び感が弱くなりがちだが(※クラリティの場合、常識的な速度領域ではあまり体験しないはず)、強い加速が欲しいときや、バッテリー残量が減ったとき、さらにはドライバーがバッテリー消費を抑えるモードを選択した際には1.5Lエンジンを組み合わせたエンジン直結クラッチ付きの2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」が、気持ちよくクルマを走らせる。

ちなみに、そのHVモードボタンを長押しすると、バッテリーチャージモードになるなど、モード選択の幅も広い。という風に仕上がりは悪くないが、もう一歩、例えばオデッセイのハイブリッドに積んでいる2.0Lエンジンを組み合わせ、スポーツモードではパワーや鋭さなどを持ち合わせたスポーツPHEVの世界を予感させても良かったかもしれない。

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