プジョー508海外試乗、胸騒ぎが現実になった
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
プジョーは508を開発するにあたって、クオリティの磨き込みを最重要課題に置いた。実際、内外装の静的品質は大きくジャンプアップした。写真でもある程度は伝わると思うが、実車を前にすると、ボディパネルのプレス、組み付け、塗装といった一連の生産工程がより高度になったことをさらに強く実感できるだろう。
インテリアの質感も飛躍的に高まった。静的品質でトップを走るアウディあたりをかなり研究したのではないだろうか。視覚だけでなく触覚にまでこだわったマテリアルや、歪みやズレを極限まで抑え込んだ高い組み付け精度、美しいピアノブラック仕上げのパネル、随所にあしらったクローム加飾など、508はいまどきのプレミアムカーに相応しい高い質感を実現している。また、現段階で評価を下すことは不可能だが、新車の際のフレッシュさを長期にわたって維持する耐久性も最高レベルに達しているという。
とはいえ、プジョーは508をプレミアムカーとは呼んでいない。資料を読んでも「上質」という言葉こそ出てくるが「プレミアム」とか「高級」といった言葉は一切なし。そのあたりは、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンもすべて直列4気筒であり、高級車ならば当然求められる6気筒や8気筒がないことにもはっきりと表われている。日本での発売は6月発表、7月発売を予定。SWには全車パノラマサンルーフが付くため多少高くなるだろうが、セダンはナビ付きで400万円を切ってくる可能性が高い。そう、508が狙ったのは「豪華な高級車」ではなく、手の届くところにいる「上質でセンスのいいクルマ」なのだ。
ただし、4ゾーン式エアコンやカラーヘッドアップディスプレイ、電動パーキングブレーキ、状況に応じてハイビームとロービームを自動で切り替える状況対応型ハイビーム、ディレクショナルヘッドランプ、マッサージ機能付き電動シートなど、装備の豊富さはドイツのプレミアムカー勢に決して負けていない。
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