ようやくスタートラインに立った…マツダ「CX-80」に試乗した率直な印象。ネガは払拭できたのか?
掲載 carview! 文:編集部/写真:篠原 晃一、マツダ 71
掲載 carview! 文:編集部/写真:篠原 晃一、マツダ 71
Rがキツくなる都市高速などを流すシーンはCX-80の真骨頂だ。
舵を入れた初期応答がややマイルドになっており、CX-60よりボディが大きく重いため相対的に弱アンダーステアにセッティングしたとエンジニアは教えてくれたが、大柄なボディと高い重心高をもろともせず、足回りはしっかりと粘り気持ちよくコーナーを駆け抜けていく。3列シートを備えたSUVということを忘れ、スポーツセダンないしスポーツワゴンのような走りだ(そもそもSUVは車検上ステーションワゴンに分類されるのだが……)。
もちろん、この走りを実現するため、一般的な足の長いSUVと比べまだ乗り心地に硬さは残るし、路面のサーフェイスが悪ければそれなりに振動は入ってくる。しかし、スポーツモデルに乗り慣れたユーザーにとっては許容できる範囲内に収まっているのではないだろうか。
マツダらしくエンジンは、ディーゼルとは思えないほど軽やかに吹け上がり、直列6気筒らしい粒の整った回転フィールに走り好きは思わず笑みをこぼすだろう。踏み込めばエンジン音もしっかりと調律され(ディーゼル特有の商用車的ガラガラ音ではなく)、トルコンを廃した8速ATはダイレクト感に溢れ走りの高揚感をさらに高めてくれる。SUVと思って乗ると脳が錯乱する。おまけにガソリン計が満タンから1/8ほど減ってもまだ900km以上の航続距離を示していた。恐るべし。
ただ1点、ラージ商品群はそのサスペンションの構造上、ピッチセンターを後ろにしたためボディがバウンス挙動(並行に上下動)する。
バウンスも一発で収まれば問題ないのだが、路面のアンジュレーションによっては、船に乗っているかのようにフワンフワンとバウンスが収束しないタイミングが何回かあった。この後に乗ったPHEVでは、バッテリーの重量増なのか個体差なのか精度の問題なのか、この悪癖は感じなかったのでマツダに改善をお願いしたい。
(次ページに続く)
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