両側スライドで真向勝負 スズキ パレットに試乗!
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:中野 英幸
パレットで興味深いのは、ここ数年スズキ軽の基本であり続けた現行ワゴンRよりホイールベースが40mm長く、室内空間の拡大に有効な低床設計であり、I.T.L(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)という基本形式はそのままだが、すべてを新設計としたリアサスペンションを持つことである。パレットのシャシー担当者は最後まで口を割らなかった(失礼!)が、パレットのプラットフォームは、今年中のフルモデルチェンジが確実視されている新型ワゴンRのヒナ型である可能性が高い。
パレットに乗って、最も印象的なのが乗り心地の良さだ。とくにリアサスペンションの作動は非常に滑らかで、これだけ背高ボディであるにもかかわらず、既存のどのスズキ製ハイトワゴンよりもツマ先だったような上下動が少なく、ロールもゆっくりと上質で、そして自然だ。この印象はNAでもターボでも基本的に変わりなく、乗り心地だけでいうなら、高重心ロールを堅いばねで押さえつけた感の強いタントより、パレットのほうが優秀である。また、ちょっと頑張ったコーナリングでも、限界そのものはタントもそれなりに優秀なのだが、心理的な安心感は滑らかにロールしてくれるパレットのほうが高い。
透視図などを見るかぎり、矢継ぎ早に新設計メカニズムを投入しまくるダイハツに対して、スズキは余計なコストをかけていない。この新設計リアサスペンションもボディ側の支持部分は従来と変わりなく(=フロアの大幅な設計変更が不要)、またダイハツなどが採用するトーションビーム型より明らかに華奢(=おそらくコストも安い)なのだが、実際に完成したクルマの実力は、上記のように決して大きく劣ってはいない。スズキのシャシー担当者は「絶対的な操縦安定性の点では確かにトーションビームのほうが有利なのは承知していますが、すべてのパーツが互いに支えあうこのI.T.Lもなかなかのものですよ」と自信ありげに語る。パレットに乗っているかぎりは、口惜しい(?)がその通りである。
パワートレインはお馴染みのものばかりで、エンジンは54psのNAと60psのマイルドターボ、トランスミッションは全車が4AT。とくにターボ同士の比較だとノイズもフィーリングも64ps+CVTのタントが好印象だが、かといってパレットがあからさまにうるさくて遅い…なんてことはもちろんない。しかも、スズキのパーツ倉庫には64psターボも直噴ターボもCVTもあるわけで、必要とあらばいつでも投入可能。さすがスズキ、臨戦態勢は整えつつも、やっぱり余計な金はかけないのである。
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