新型ゴルフGTIに試乗! 完成度は太鼓判だが…
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:菊池 貴之
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今回の試乗の舞台は箱根山中のワインディングロードだったが、ここでも基本的なドライビング感覚は先代ゴルフVのGTIと共通していて、路面の状況を繊細に伝えてくる上質なステアリングフィールを、まず賞賛したい気分になる。サスペンションは当然ノーマル系のTSIより固められ、車高もフロントが22mm、リアが15mm下げられているものの、荒々しさは微塵もなく、乗り心地はスピードを上げるにつれてフラットかつ快適になっていく。試乗したのは17インチタイヤ装着車だったから、18インチタイヤとのセットオプションになるアダプティブシャシーコントロールのDCCは備わっていなかったが、それでも乗り心地は毎日気持ちよく乗っていられる快適レベルにあった。
ワインディングロードでは、新たに投入された電子制御式ディファレンシャルロックシステム、XDSの効果がはっきりと感じられた。先代GTIは、高速コーナーでは素直な挙動を示すものの、タイトベンドからの脱出に際してスロットルを踏み込むと、2リッター直噴ターボの生み出すトルクに前輪が耐えかねるかのように、アンダーステアが顔を出したものだった。ところが新型は、クルマがロールしてコーナー内側の駆動輪の荷重が減ったと判断すると、XDSがその車輪のブレーキ圧を高めて空転を防ぎ、トラクションを確保してアンダーステアを軽減するという。メーカーの解説には、主に中高速コーナリングで効果的と書いてあるが、実際には2速で抜けるような比較的低速のコーナーでもその効果を実感した。6代目GTIは、先代の5代目GTIより明らかにニュートラルな感覚で、タイトコーナーの連続を意のままに駆け抜けていったのだった。
というわけで新型GTI、ダイナミックな走りの性能に関しては先代が持っていた数少ない弱点を克服して、ほとんど文句なしの高性能ハッチに成長したといっていい。その代わり、気持ちよく走れるスピードレンジが先代よりさらに上がってしまったのが、ヨーロッパに比べてスピードリミットが劇的に低い日本の路上で乗る際の最大の問題かも…。
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