走りが好評の「ZR-V」。ライバル「ハリアー」と比べコスパで勝るも、“実質値上げ”により 販売は伸び悩む…？

ホンダ ZR-V

ガソリン／ハイブリッドともに「Z」が人気グレード

また、前出の販売店担当者はこれまでのZR-Vの反響について次のように話します。

「ZR-Vはシビックと同じ骨格を採用していることから、走行性能の高さに定評があります。

力強くパワーを感じられるスポーティな走りが特徴で、『走っていて楽しい』という好評の声も多くいただきます。

最も人気のあるグレードは、ハイブリッド車・ガソリン車ともに上級グレードの『Z』です。

その理由として、『ステアリングヒーター』をはじめとする快適装備が充実しており、追加のオプションはドライブレコーダー程度で済む点が挙げられます。

さらに、本革シートなど高級感のある内装を求めるお客様からも支持されており、利便性と高級感が両立された仕様となっています。

実際、購入される8〜9割のお客様が『Z』を選ぶことから、販売店では在庫を多めに確保しているため、納車まで1〜2か月ほどと比較的スムーズとなっています」

これまでホンダ車を所有するユーザーの間では、従来の塗装が「色あせしやすい」という声が多く聞かれていました。

2025年5月より「シビック RS」や「フリード」に採用された新しい外装塗料がZR-Vにも導入され、耐久性は従来比で1.5倍以上向上しています。

しかし、同時に全グレードで一律7万5900円の価格改定が行われたことから、一部のユーザーからは「実質的に値上げ」と捉えられてしまっているようです。

物価高騰の影響もあり、値上げ自体はある程度やむを得ない側面がありますが、塗装改良と価格上昇のバランスに疑問を持つ声が多く、その影響がZR-Vの販売台数に表れているのかもしれません。

（終わり）

（写真：ホンダ、トヨタ）