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いま最もボルボらしい V70に改めて乗った

V70は究極の快適性を備えたモデル

東名高速の大井松田~御殿場インターはカーブが連続する区間だが、こうした場所での扱いやすさもV70の長所だ。S60/V60と比べるとステアリングの効きは穏やかで、運転していてスポーティーとかキビキビといった形容詞はまったく浮かんでこない。しかしその分、ドライバーはステアリング操作に気を遣わないで済む。行きたい方向に目を向けて、あとは身体の自然な反応に任せておくだけでピタリと正確にラインをトレースする、という感じだ。言い換えれば、カーブの多い区間でも盛り上がっていた車内の会話が途切れることはないということ。これもボルボが昔から得意としてきた乗り味である。

とまあそんな具合に、ほとんど疲れ知らずで富士スピードウェイに到着。1日の取材を終えV70に乗り込むと、再び絶品のシートが疲れを癒してくれた。乗り込むだけで心の底からホッとできるこの癒し感覚は、ボルボ、それもV70でしか味わえない。

iPhoneで交通情報を見ると、東名高速の上り線はすでに大渋滞。ここでもACCが活躍してくれた。V70のACCには先行車が停止するとそれに合わせて自車も停止する機能が備わっている。しかも、停止して3秒以内なら特別な操作をしなくても自動的に再発進してくれるから、一寸刻みの渋滞での快適性は想像以上に高い。3秒以上停止するとスタンバイモードに入るが、ステアリングのスイッチを押すか、アクセルを踏み込めば再び追従を始める。しかも“うっかり”が原因の追突は、30km/hまではシティセーフティが、それ以上の速度域ではヒューマンセーフティが防いでくれるから、安心感は抜群だ。

結局、普段の3倍ぐらいの時間をかけて東京まで辿り着いたのだが、V70のおかげで疲れはほとんどなかった。むしろ「これからもうひと仕事!」と思えたほどである。おそらく他のクルマだったらそうはならなかっただろう。

かくのごとく、V70は究極の快適性を備えたモデルとして大いに注目すべき存在だ。もちろん、ボルボらしい快適性とスポーティーな味付けを巧みにミックスし、それをモダンなデザインで包んだ60シリーズも魅力的だが、ボルボらしさという点ではV70が上を行く。たしかに地味ではあるが、60シリーズの契約書にハンコを押す前に、騙されたと思ってV70にも試乗してみることをオススメしたい。

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