いま最もボルボらしい V70に改めて乗った
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
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従来、ダッシュボードからニョキッと無遠慮に“生えて”いた液晶モニターがダッシュボードにきれいにビルトインされたことで、視認性は大幅に向上した。モニターの見やすさもさることながら、モニターによって前方の視界が遮られなくなったのがいちばんのメリットだ。とくに身長の低い人にとっては大きな意味をもつ改良だろう。ナビは独特の操作ロジックに最初は戸惑うかもしれないが、慣れてくればなかなか使いやすい。
完全に止まってしまうような渋滞ではないものの、休日の高速道路とあって交通量は多めで、なかなか一定速でクルージングというわけにはいかない。そんな状況を、1.6リッター直4エンジンを積むドライブeは粛々と進んでいく。アクセルに対する反応は鈍すぎず鋭すぎずで、ことさらアクセル操作に気を遣わなくても先行車との車間を一定に保つことができる。
そうこうしているうちに、試乗車にはオプションのセーフティパッケージが付いていたことを思いだした。2012年モデルから30km/h以下で走行する際の追突を回避or軽減する「シティセーフティ」は標準装備になったが、さらに25万円を上乗せしてセーフティパッケージを装着すると、歩行者検知機能や高速域での追突回避or軽減システムである「ヒューマン・セーフティ」へとグレードアップ。全車速追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズコントロール)なども手に入る。
ACCをオンにして任意の速度(40~200km/h)にセットすると先行車追従が始まるのだが、速度制御の上手さはちょっとすごい。頻繁な加減速を強いられる渋滞直前の高速道路で、V70のACCは先行車との車間距離を常に適切に保ってくれた。まあこれだけなら他車のACCと同じだが、驚いたのは加減速のスムースさ。ベテランドライバーが運転をしているような滑らかさで加減速をしてくれるのだ。これまでいろいろなACCを試してきたが、僕の知る限り速度コントロールのスムースさはボルボとメルセデスが最高だ。
最高に快適なシートに収まり、車間距離の保持もクルマ任せ。クルマ好き、運転好きからしてみれば「何が面白いの?」となるかもしれないが、僕はこういう楽ちんなドライブも嫌いじゃない。お気に入りの音楽を聴きながら、あるいは家族や友人たちとの会話を楽しみながら、長距離を快適に、安全に移動する…これがV70のもつコアバリューである。
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