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VWの新スモール、up! 欧州初乗り、印象は?

クラスを超えた上質さ

まず試乗したのはup!販売時に設定された特別仕様のup!ホワイト。最も装備レベルが高く、75psで16インチ、アルミを備えてミラーはクローム、内装はロゴ入りシートにボディ同色ダッシュボードなどバッチリ決まった仕様だ。

それにしてもup!は、すぐにいろいろなことに気付かせてくれるクルマだ。僕は大抵、「走り出してまず気付くのは…」と書き出すけれど、up!の場合気付くものが結構多い。書き出していくと、心地よいエンジン音が聞こえるだけの静粛性の高さがあるし、1.0Lエンジン(75ps版)の低速トルクの太さによる扱い易さがあり、16インチとこのクラスにしてはトゥーマッチなサイズと思えるのに意外や足がしなやかに動く感じがある…といった具合で、初乗りからわずか数百メートルで、このクラスの小型車には感じられないような良さが怒濤のように押し寄せるのだ。

実は僕、ローマの街中を走るのが結構好き。このカオスの中では、他車との阿吽の呼吸と自己を主張する的確な操作が流れを制す。そうした走りにあってup!は見事、応えてくれるだけの機動性の高さを持っていた。ホテル近くの迷路のような小道、「ここホントに入るの?」と思える極狭路地に迷わず突入できる感覚を持っていた。イタリアで使える=このクラスの本物、の証といえる。

1.0Lの3気筒はなんと、バランサーシャフトがない。それでも振動が少ない理由は、カウンターウェイトを6つも使った他、フリクション低減によるもの。だから3気筒を実感するのは独特のビートから。それもまたクルマ好きには堪らず愛しく思えるものだ。

16インチサイズのタイヤ&アルミはさすがにup!には大きい。が、路面からの衝撃が若干キツいこと以外にネガが見当たらない。15インチはもちろんマイルドで、14インチなら滑らかだろうと想像が付く。

高速域ではホイールベースが2420mmだからか、小柄ながらもしっかりしている。もちろん路面変化に対してゴルフほどに安定しないのはディメンジョンの小ささゆえ。でもクラスで見れば確実に安定性は大、だ。

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