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フリード/フリード+に試乗。ライバル・シエンタとの違いは?

フィットベースながら専用設計で快適を向上

乗り心地の大幅改善も新型フリードの美点である。リアサスペンションを専用の高剛性トーションビームと液封ブッシュ(!)という贅沢な設計としたことが如実に効いている印象だ。プラットフォーム構造では「フィットのミニバン版」といえるフリードだが、シャシーやボディ骨格などの基礎メカニズムは、実際には大半がフリード専用設計である。

リアの追従性がしっとりと落ち着いているので2~3列目の乗り心地も大きく改善して、静粛性も向上したという。ステアリングはホンダらしく、シエンタより機敏に反応する設定となっているが、クルマ全体がドシッとリアを軸に動いてくれるので、フリードのような背高グルマでも不安感が小さい。

フリード+のボディ骨格は車いす仕様とあえて共通になっているそうで、2列のハイトワゴンとしてはリア周辺のボディ剛性は過剰なほどだという。ごくわずかな差ではあるが、同じ乗車人数でも、操縦性はフリードよりフリード+のほうが好印象な気もした。まあ、単なるプラシーボ効果かもしれないが…。

ちなみに、フリードのシャシー設計を率いた深海氏は、この前には「S660」を担当して、その昔は初代「インテグラタイプR」もつくった人物である。そんな深海氏の「FFでいちばん重要なのはリアサスペンションなんですよ」という言葉を、フリードに乗ってからお聞きすると、なんとも味わい深いものがある。

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