ライバルはゴルフGTI。新たなスポーツグレード「128ti」はBMWのスポーツ精神がフィルターなしに味わえる
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 114
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この128tiはMの冠こそないが、前述のブレーキ以外でもM譲りの資産をいくつか分け与えられている。10mmローダウンしたスポーツシャーシは確かに締め上げられた感じはするが、快適性を犠牲にすることなしに安定したロードホールディングと軽快なハンドリングをもたらしている。
これを大きく助けているのは8速ATで、Dレンジでのシフトのスムースネスはトルコンならではのものだ。スポーツモードでのクイックなシフトタイミングもスポーティで、DCTに勝るとも劣らない。一方、コーナーでは最大でロッキングファクター31%(M135は36%)のトルセンデフロックが弱アンダーながらコントローラブルでスムースなコーナリングを約束している。
もちろんボディは他の1シリーズと共通なので、キャビンの広さやトランクの容量は変わらず、日常の通勤やウイークエンドの家族ドライブも楽しむことができるはずだ。実は懐かしさもあって、私は2週間のテストの間に普通ならば飛行機や鉄道で行く往復約900km近い北ドイツのハンブルグまでのロングディスタンスを128tiで楽しんでしまった。
128tiはドイツで4万1575ユーロ(19%の付加価値税込み、約540万円)で販売もすでに始まっている。ライバルと目されるVWゴルフGTIは6速MTのベースモデルで3万7607ユーロ(約490万円)だ。128tiが日本市場に登場するかどうかは定かではないが、BMWのスポーツスピリットをフィルターなしに味わえるこのモデルが、注目に値するスポーツハッチであることは間違ない。
※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。
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