【乗り比べ】走って楽しいホンダが帰ってきた! シビック「RS」と「e:HEV」の違いが悩ましい
掲載 carview! 文:編集部/写真:編集部 20
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走り出してみると、バッジを変えただけの“お気楽スポーツモデル”でないことはすぐにわかる。e:HEVからの乗り換えると、その“味変具合”となかなか本気でスポーティな走りに思わず笑みが溢れた。タイプRほどは求めてないが、少しスポーティなモデルが欲しいユーザーにはまさにピッタリだ。
入力の角は丸められているが、足回りはダンピングが効いて腰があり、“スポーツモデルに乗っている感”を味わえる。滑らかな走りのe:HEVに対ししっかり骨太な味付けで、こちらの方が好きな人も多いだろう。試乗当日は雨だったが、ペースを上げても、舵を入れた際のクルマの動きも正確でしっかりと路面に吸い付くような安心感があった。
そして何より特筆すべきは、百発百中のレブマッチシステムと相まった6MTの楽しさだ。ホンダのスポーツモデルらしく、手首にほんの少し力を入れるだけでスコンと吸い込まれるようにシフトチェンジが決まる。
「オレはヒール&トゥをマスターしているからそんなもんいらん!」という声が聞こえてきそうだが、街中でこのレブマッチシステムを使ってしまうともう後戻りできなくなる。それぐらい安楽にMTの運転が楽しめるのだ。同乗者がいればなおのこと嬉しい装備である。
1.5Lターボエンジンは、e:HEVから乗り換えると加速にほんのわずかなターボラグを感じるのだが、その分シフトチェンジして適正なギアを選ぶ楽しみがあるし、回転が高まった後の加速はターボモデルらしくパンチが効いている。何しろMTを駆使したクルマとの一体感がたまらない。
軽めのクラッチと軽量フライホイールで、発進時のエンストが心配だったが、駐車場から出る際などの極低速の車速のコントロールも容易でこれなら久しぶりのMTでもすぐに馴染めるのではないだろうか。
“誰もが”気持ちよく爽快に走れる「e:HEV」と、“誰もが”走りの高揚感を味わえる「RS」。「CIVIC=市民の」のという言葉通り、“誰もが”それぞれの楽しさ・気持ちよさを味わうことができるので悩ましい。
RSの値段は400万円を超えるが、特にRSは20~30代の購入も多いとのこと。先進安全などの装備も充実しており乗ってみると決して高いとは感じなかった。ホンダとしてもRSは「埋もれていたニーズを掘り起こせた」とのことで、想定以上の受注を獲得しているそう。「シビックなのに〇〇」と言った固定観念がない層には素直に受け入れられているのかもしれない。
e:HEVかRSかはもはやどっちも良く価格も近いので好みの問題になってしまうが、個人的にはカッコよく、走って楽しいホンダが帰ってきたことに妙に嬉しくなった。繰り返しになるが、迷っているなら一度乗ってみることをオススメする。これでタイプRもしっかりと日本で売ってくれれば、ユーザーは悩ましくも楽しい日々を過ごせるのだが……。
(終わり)
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