メルセデスがゼロから開発した本気の電気自動車「EQS」の完成度は…静けさだけでも買う価値あるかも!?
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:ダイムラーAG 84
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:ダイムラーAG 84
我々が試乗したのは「EQS 580 4マチック」で、全長5216×全幅1926×全高1512mmとエンジンを搭載するSクラスより37mm長く、28mm細く、9mm低い。ホイールベースは3210mmと106mm長い。また後輪駆動モデルのCd値は0.20と記録的な低さを誇る。
前後のモーターが発生するシステム出力は385kW(523ps)、最大トルクは855Nmを発生。0-100km/hは4.3秒、最高速度は210km/hに到達する。搭載されるバッテリーのネット容量は107.8kWhで、WLTPモードの航続距離は770kmと発表されている。DC急速充電では15分で300km走行分をチャージすることが可能だ。
インテリアでは、ダッシュボードの左右一杯に広がった幅1.4mのハイパースクリーンがドライバーとパッセンジャーを圧倒する。また8コアプロセッサーと24ギガバイトのRAMを搭載し、操作に対する反応速度も素晴らしい。ただし、周囲の明るさに自動反応するスクリーンにも関わらず、太陽光の反射が邪魔になるのはSクラスと同じで疑問が残った。搭載されるOSは最新のMBUXで、タッチあるいは「ハイ、メルセデス!」で音声入力が可能だ。後者では操作系に関わる質問、たとえば搭載されたADAS(先進運転支援システム)のスイッチの場所を聞くこともできるほか、少々ブロークンな英語の入力も受け付けてくれた。
標準装備の可変式エアマチックサスペンションは、エコ&コンフォートモードでは速度に応じて車高が自動的に調整されるが、スポーツモードに切り替えると130m/h以上では20mmローダウンして空力特性とロードホールディングを向上させる。このサスペンションシステムは非常に快適で、比較のために後日試乗したずっと軽いS500(1945kg)に勝るとも劣らない。ただし2585kgと640kgも重いEQSの場合、起伏のある路面ではふわっと浮き上がる印象があった。それ以外では路面からの突起や継ぎ目の吸収コントロールは素晴らしかった。
なかでも特筆すべきは静けさである。滑らかなサーフェイスをもったEQSのボディは100km/hを超えても風切り音のレベルが非常に低い。さらに印象的だったのはタイヤノイズの低さで、テスト車が履いていたのは265/40R21サイズのグッドイヤー イーグル F1だったが、路面の滑らかな高速道路はもちろん、ラフな表面のコンクリート道路でも路面ノイズがほとんど聞こえてこない。この静けさだけでも買う価値は十分にあると言っていいだろう。
またブレーキペダルのフィーリングも素晴らしい進化をみせた。これまでメルセデス・ベンツのPHEVはやや効き始めのポイントに不満が残ったが、最新モデルでは改善されてきており、このEQSでは高度な回生機能が組み込まれているにも関わらず非常にスムーズで確信をもって減速することができる。
EQSは「最善か無か」を目指すメルセデス・ベンツ・エンジニアリングの最初の本格的なEVへのアプローチだ。ゼロから開発した新しいアーキテクチャーのお陰で、従来のEQモデルにはない先進性と整合性をもち、妥協が少なく、非常に高いレベルでの品質も備えている。EQSはおそらく他メーカーの目指すEVの目標になるに違いない。もちろんメルセデス・ベンツは今後、このEQSを筆頭に「EQS SUV」、「マイバッハ EQS」、「EQE」、「EQE SUV」と、EV攻勢のテンポを早め、2025年から開発するニューモデルにはすべてEVプラットフォームを提供、EVとPHEVの割合は50%に達するはずである。
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