アウディ A3セダンMC版に試乗。中年男子のダンディズムに応えてくれる一台
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:小林 俊樹
まず走り出しで感じるのは、思わず「いいクルマだなぁ」とこぼしてしまうアウディらしいソリッドな上質感だ。試乗車は標準より1インチ大きな17インチタイヤを装着していたが、街中での走りは極めて爽やか。転がり抵抗低減のためにトレッド剛性を高めるミシュラン「プライマシー3」の硬めな入力も、その足回りがしっかり受け止めるから、乗り心地はピシッと引き締まりつつ快適だ。ストレートではクルマがスーッと進み、カーブは操舵に対して過敏過ぎず遅すぎず、じつにリニアな反応を持ってクルマが曲がってくれる。
1.4 TFSIの最高出力は122psと、1330kgのセダンとしては非力に思えるかもしれないが、これが力強い。その名アシスト役となるのが7速となったSトロニックで、1400rpmから発揮される200Nmの最大トルクを全てのギアで使い切り、これをテンポよくシフトアップさせて行くから、快適な加速感が得られるのである。
そしてこれをハイウェイで解き放つと、ニヤけるほど気持ち良い走りの世界が訪れる。直噴ターボのブーストはトップエンドまで完璧にエンジンを回しきり、デュアルクラッチがこの加速Gを途切れさせることなく次のギアへとバトンを渡す。それは確かに“のけぞるような加速”ではないが、1.4ターボという排気量を考えると思わず嬉しくなってしまうくらいの速さだ。かつ精密機械がしっかり仕事をしているのが手に取るようにわかる、澄んだトーンのエンジンサウンドが、メカ好き男子のハートをギュッ! とつかむ。
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