3兄弟が出揃ったクラウンのお買い得はクロスオーバー！ グレードは?? スペックや価格を解説

2023年度内に4兄弟が出揃う！

2022年7月、16代目となるトヨタ「クラウン」が発表され、「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」の4モデルが展開されることが明かされました。

現在では、クロスオーバーとスポーツ、そしてセダンが発売されており、もうひとつのエステートも2023年度内に発売される見通しです。

クラウンの名を冠してはいるものの、それぞれの特徴が大きく異なることから、どのモデルを選ぶべきか迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。

では、現在販売されている3つのクラウンの中で最もオトクなのはどのモデルかチェックしてみましょう。

クラウン セダン

価格はクロスオーバー＜スポーツ＜セダンの順

まず、クラウンシリーズの第1弾として登場したクロスオーバーについて見てみましょう。

クロスオーバーの最大の特徴は、なんといってもセダンとSUVを “クロスオーバー”させたその斬新なデザインです。

従来のセダンのようなスポーティさを持ちつつ、SUVのような運転のしやすさや乗り心地のよさを兼ね備えたクロスオーバーは、クラウンシリーズの中核をなすモデルというポジションです。

また、パワートレインは2.5Lのハイブリッドのほか、クラウンシリーズのなかで現状唯一となる2.4Lターボハイブリッドエンジンを搭載する「RS」もラインナップされており、さまざまなニーズに対応できるモデルであることもポイントです。

クロスオーバーの新車価格は435万円～640万円となっています。

次はスポーツについて見てみましょう。

スポーツは、ショートホイールベースの車体に舵角や車速などに応じて後輪の向きが変わるリアステアリングシステム「DRS」を採用するなど、その名のとおり、スポーティな走りに主眼が置かれたモデルです。

そういった意味では「スポーツカーとSUVを掛け合わせたモデル」とも言えるかもしれません。

スポーツの新車価格は590万円と、クロスオーバーよりもエントリー価格が高く設定されています。また、現時点では2.5Lハイブリッドモデルのみのシングルグレード展開となっていますが、2023年12月にはPHEVモデルが追加されることが明らかとなっています。

最後はセダンです。

歴代クラウンシリーズの面影を残す唯一のモデルと言えるセダンは、優雅なセダンボディとゆとりある後部座席が大きな特徴です。

パワートレインは2.5Lハイブリッドに加え、ミライと共通のFCEVの2種類が用意されています。駆動方式は後輪駆動のみで、ホイールベースが3mとシリーズのなかでもっとも広い後席足元空間が確保されています。

ショーファーカーとしての利用も想定されたセダンの新車価格は、ハイブリッドモデルが730万、FCEVは830万円とほかの2つに比べて割高です。

ここまでを整理すると、新車価格はおおむねクロスオーバー＜スポーツ＜セダンの順であることがわかります。

ただし、クロスオーバーの「RS」はスポーツを上回る価格であるほか、スポーツのPHEVやセダンのFCEVは国や自治体からの補助金が得られる点も考慮に入れる必要があります。

クラウン クロスオーバー インテリア

クロスオーバーの「RS」はハイオク指定

燃費性能について見てみましょう。

全車に共通して搭載される2.5Lハイブリッドモデルの燃費性能を比べると、クロスオーバーがもっとも優れており、次がスポーツとなっています。セダンは、後輪モーターの出力が引き上げられている分、どうしても燃費性能が低くなってしまうようです。

セダンには水素を燃料とするFCEVも用意されるものの、金額ベースではガソリンと水素に大きな差は見られず、ランニングコストの違いにはほとんど結びつきません。

一方、クロスオーバーの「RS」に搭載される2.4Lターボハイブリッドエンジンは、272PSの最高出力によるスポーティな走りを持っている反面、燃費性能はほかのモデルに劣ります。加えて、燃料もハイオク指定となっているため、ランニングコストではさらに差が生じる点は注意が必要です。

クラウン クロスオーバー

おすすめなのはクロスオーバーの「G」

以上をふまえると、3つのクラウンシリーズのなかで、最も手が届きやすいのはクロスオーバーであることがわかります。そのなかでも、中間グレードの「G」は、装備と価格のバランスがよいため特におすすめです。

また、クロスオーバーは18インチの小径ホイールも選べるため、タイヤに掛かるランニングコストを多少なりとも抑えることが可能です。さらに、ほかのモデルに対して先行して販売されたこともあり、中古車を選ぶことができるのもメリットと言えるかもしれません。

一方、クロスオーバーの「RS」やスポーツ、セダンは、クルマとしての性格がそれぞれ大きく異なるのも事実です。

その違いは、かつてのクラウンの「アスリート」と「ロイヤルサルーン」の違いの比ではありません。

そう考えると、それぞれを同じ「クラウン」としてとらえるのではなく、「クラウンの精神を持つ別のクルマ」と考えたほうがよさそうです。

もちろん、いずれのクラウンもその名に恥じない仕上がりであることは言うまでもありません。

＜終わり＞