新型ラングラー試乗 見た目だけに惹かれて飛びつくクルマではない
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:FCAジャパン
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:FCAジャパン
今年はオフローダー当たり年。メルセデス・ベンツGクラス、スズキ・ジムニーに続き、秋にラングラーが導入されることで、同じ年に本格オフローダーが3モデルも日本で発売されることになった。3モデルをざっくり比較すると、これまで3モデルとも前後リジッドアクスルだったのが、Gクラスのみ新型でフロント独立懸架に切り替わった。これによってオンロードでの乗り心地が数段レベルアップした。ジムニーはジムニーで前後リジッドを堅持したが、ラダーフレームを大幅補強したことによってやはりオンロードでの乗り心地が大幅に改善された。
こうなるとラングラーも前後リジッドアクスルを維持しながらも何らかの方法でオンロードでの快適性を向上させてくるはず! と期待に胸を膨らませて試乗したが、さほど変化は見られなかった。走行中に何らかの入力があるとブルッと車体が揺れる昔ながらのラダーフレームシャシー車のくせはそのまま残っている。ラングラーはラングラーだった。そもそも快適性を最優先する人が選ぶクルマではない。どういう成り立ちでどういう目的のクルマかを理解した人のみが選ぶべきで、見た目だけに惹かれて飛びつくべきクルマではない。見た目で飛びついてから初めてラングラーの世界を理解するのもよいかもしれない。
残念なのは、10年ぶりのモデルチェンジにしては安全装備が乏しいこと。ブラインドスポットモニタリング(斜め後方の死角から近づく車両を知らせる)とリアクロスパスディテクション(後方を横切ろうと接近する車両を知らせる)はオプションとして設定されるが、自動ブレーキ、ACC、レーンキーピングアシストなどは備わらない。今後に期待。
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