大昔の自動車メディアや評論家が唱えた「ドイツ車最強説」は今も通用するのか? 世田谷の街角から再検証した
掲載 carview! 文:伊達軍曹 66
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この問題に対して、筆者は確固たる答えを有している。それは以下のとおりだ。
「もちろんプレミアムブランドのドイツ車は素晴らしい。乗れば、誰でも一瞬でわかる。だが、その“ありがたみ”の感じ方は人それぞれである」
プレミアムブランドのドイツ車は「ちょっと高額な衣服」によく似ている。
たとえば筆者は衣服のデザインや繊維、あるいは縫製などについての知識をまったく持っていない人間だが、そんな人間でも、3980円ではなく3万9800円のシャツに袖を通せば「あ、これはいいモノだな」ということが一瞬で理解できる。
プレミアムブランドのドイツ車もそれと同じで、自動車メディアの記事に頻出する難解な車用語はまったく理解していない人でも、運転席に乗り込んでタイヤをひと転がりさせればすぐに「あ、これはよくわからないけどいいモノだな。ていうか、何かが違うな」という感覚を得ることになる。
とはいえ、そこ――つまり「いい車であること」「日本車とは何かが違うこと」に興味がない人間にとっては、ドイツ車のありがたみはほとんどない。
衣服の場合に例えていうと、ファッションに命を懸けているタイプの人は、自身が3980円ポッキリのシャツを着用するなど想像もできないだろう。もしもそれを着て外出しろと言われたら、パンツ一丁で出歩く以上の恥と認識するはずだ。
しかし、たとえば筆者はファッションに対する意欲や興味が決してゼロなわけではないものの、100点満点だとしたら20~30点程度の意欲しかないため、シャツなどは3980円で十分と考える。
それゆえ、もちろん3万9800円のシャツをタダでもらえたら嬉しいが、自分で買うことはない。いいモノであることはわかるが、興味がないため、「3万9800円という大金に値するありがたみ」を感じないからである。
>>【ドイツ車はやっぱり魅力的?】プレミアムなドイツ車の世界をギャラリーで見る
(次のページに続く)
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