スバルから再び“美しいクルマ”が生まれる日を夢見て…イタリアの巨匠が描く流麗なクーペ、アルシオーネSVXを振り返る
掲載 carview! 文:koensha 22
掲載 carview! 文:koensha 22
1938年生まれのジウジアーロ氏はまさにレジェンド。先日の「オートモビル・カウンシル2025」ではトークセッションが行われ、元気な姿を披露した。
彼は画家の家系に生まれ、父の教えもありアートスクールとともに、フィアット傘下の技術学校にも通った。
17歳でその才能を見出され、フィアットのチェントロ・スティーレ(デザイン部門)に入社。その後1959年に名門カロッツェリア・ベルトーネのチーフデザイナーに抜擢され、アルファロメオ「ジュリア クーペ」など数々の名車を手がけた。
日本との関係の始まりは、カロッツェリア・ギア時代に手がけたいすゞ「117クーペ」。以来、日本には感謝の念を抱いているとされる。
彼のモットーは「美しいデザインを、きちんと量産化すること」。量産化まで踏まえたデザイン手法を確立したのは彼の功績である。
アルシオーネSVXも、量産が困難なガラスキャノピーのスタイルながら、市販にこぎつけた。ジウジアーロの緻密な計算の上に構築された造形だったからである。
最近のスバル車種は、外部デザイナーを起用していない。優雅なクーペが不在で、実用優先のSUVが主力という事情もあるだろうが、少し寂しい。
最新のフォレスターのスタイリングは悪くはないが、美しいかと問われると評価が分かれる。新たな個性は、多様な視点から生まれる。多くの人を魅了する次世代の造形を作り出すには、外部デザイナーの起用も必要かもしれない。
(終わり)
(写真:スバル、いすゞ、日産)
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