【見た目もゴツい!】新型「サンク」の高性能版「アルピーヌ A290」は意外な快適系。日本に入って来る?
掲載 carview! 文:編集部/写真:ルノー 10
掲載 carview! 文:編集部/写真:ルノー 10
ベースモデル同様にフロントに搭載され、前輪を駆動するモーターはルノー「セニック」から移植されたもので2種類のチューニングがある。床下に搭載されている電池の容量は52kWhで、航続距離は条件にもよるが最大で380km(WLTP)と発表されている。
・GT、GTプレミアム
最高出力|177ps、最大トルク|285Nm、0-100km加速|7.4秒、最高速度|160km/h
・GTパフォーマンス、GTS
最高出力|218ps、最大トルク|300Nm、0-100km加速|6.4秒、最高速度|170km/h
ホールド性が高いスポーツシートに身体を落とすと、目の前にはアルピーヌのロゴが入ったステリングホイール、そしてその向こうには「ルノー5 Eテック」と同じ10インチの横長スクリーンが並んでいる。スタータースイッチをONにしてコンソールに並んだD―N―Rの3個のボタンでDをセレクトしてスタートする。
アルミ製のサブフレームやステアリングナックルを採用したにも関わらず、空車重量は1479kgとベースのルノー サンク(150ps&245Nm)よりも30kgも重い。これは前述したようにセニック用の大型モーターを使用したためだ。
しかしA290はドライバーの背中がバックレストに押し込まれるような鋭い加速Gを伴ってダッシュする。このハイパワーモデルに採用されているミシュラン パイロットスポーツ 5Sのグリップは素晴らしく、少し深めにドライブペダルを踏み込んでも文字通り音を上げずに速度を増してゆく。
・GT、GTプレミアム
ミシュラン パイロット スポーツ EV|225/40R19
・GTパフォーマンス、GTS
ミシュラン パイロット スポーツ 5S|225/40R19
しかし、スポーツモデルとしては意外なほど快適性が強調されているシャシーセッティングのせいか、コーナーではアンダーステアが出てしまう。直径320mmに拡大されたディスクブレーキはそんな時にコントローラブルでシュアな制動力を見せてくれるが、ステアリングも思ったほどシャープではないので…結果としてはリラックスしたドライブが楽しめる。
A290の名誉のために付け加えておくと試乗会ではクローズドサーキットでの走行も行われ、トラクションを最大化する新機能のトルク・プリコントロールによってアジャイル(俊敏)な性格も垣間見ることが出来た。
筆者はアルピーヌというブランドからもっと過激なスポーツハッチを想像していたが、その内容は意外に実用性を考えたスポーツモデルだった。
冒頭に述べたようにヨーロッパでもBEV販売は足踏み状態と言われるが、それでもこのアルピーヌ A290のような選択肢が広がるのは市場の活性化にもつながるだろう。アルピーヌ・ジャポンによれば今のところ日本への輸出は行われないようだが、参考のためにドイツでの価格はGTが3万8700ユーロ(約619万円)、GTSが4万4700ユーロ(約715万円)である。※1ユーロ|150円で計算
(終わり)
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