新型ダイハツ タントは広く推奨されるべき実用車だが、ある種のこだわりを持つ守旧派には厳しい面も
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:編集部
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「国民B」とはどんな人々のことなのか?
それは「ついつい乗り味がどうとか、アンダーステアがこうとかも少しは考えてしまう人々」のことだ。言い方を変えるなら「車の動きと、それがもたらす快感/不快感についてまあまあ意識的な人々」のことである。
自分がそのような「国民B」に該当する自覚がある人に対しては、無理に止めはしないが、「できることなら別の軽、例えばホンダのN-WGNとか日産のデイズにしたほうがいいんじゃないですか?」と助言したいというのが、当会議の立場である。
「お前、ついさっき『新型タントの走りはけっこういい』って言ったじゃないか! 矛盾だムジュン!!!」という非難もあるかもしれない。
先ほど申し上げた内容にウソはないが、あれは「必然的にタテヨコ比がちょっとおかしい(?)軽スーパーハイトワゴンとしては」という前提に基づいて述べたものである。普通ぐらいのタテヨコ比の各車と比べてしまうと、やはり新型タントの走りは少々厳しいのだ。
国民Aはそれでも気にならないか、あるいは「そんな話からはもう卒業したよ」となるのだろうが、国民Bとしては、どうしたって常に付きまとう「上屋がゆらゆら揺れてる感じ」が気になってしまうのである。
路面の舗装状態がウルトラ素晴らしい局面では、新型タントはタントとしての背の高さをほとんど感じさせない。この種のボディ形状としては風切り音も小さく、きわめて快適である。「さすがはDNGAだぜ!」という気分になってくる。
だが世の中の道路というのは、そのようにウルトラ素晴らしい舗装だけで成り立っているわけではない。むしろウルトラ素晴らしい局面は少数派であるはずだ。
やや荒れていたり、舗装の目地がやや粗い局面では、新型タントは決して「愉快な車」ではない。
悪いわけではなく、むしろ「このタテヨコ比なのにすげえなダイハツ!」とすら感じるのだが、しかし冷静になると「ところでオレ、観葉植物を運んでるわけでもないのになぜ、こんなに背が高い車に乗ってゆらゆらしてるんだっけ?」という素朴な疑問がわいてくるのだ。
乗り味のディテールなどどうでも良いと考える人。あるいは「決してどうでもいいわけではないけど、この種の背が高くて便利な車がどうしても必要なんだよ」という人には、新型ダイハツ タントは広く推奨されるべき素晴らしい出来栄えの実用車である。
しかし「車ってのは動きの快感までも含めて車だろ!」と考える比較的守旧派の国民で、なおかつ小さな子供や高齢者、あるいは自転車やバイク、はたまた観葉植物を運搬する予定がない人に対しては、「ま、メディアが一様にホメてるからって無理に選ぶ必要はないですよ」と、筆者としては申し上げる。
全日本国民車評議会(通称:国民車会議)議長としての勝手な評価まとめは以下のとおりだ。
【 ダイハツ タント X(2WD)=149万500円 】
・車両価格:★★★★☆(安い)
・気持ちよく走れる度:★★★☆☆(悪くない)
・燃費:★★★★☆(良好)
・積載性:★★★★☆(良好)
・おしゃれ度(外観):★★★☆☆(悪くない)
・おしゃれ度(内装):★★☆☆☆(質感とセンスはホンダN系が勝る)
・総合国民車度:★★★☆☆
【 ダイハツ タントのその他の情報 】
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