【2年後登場】VWの超低価格ベーシック車「ID.1」を待つ厳しい船出。なぜヒットは難しいのか？

フォルクスワーゲン ポロ

日本でも欧州でもヒットには厳しい市場環境

もちろんフォルクスワーゲンは日本市場で長年親しまれてきたブランドだけに中国製EVとの単純な横比較はできないが、いくらブランド力があったとしても、昨今日本における物価や燃料費等の高騰により、消費者の価格に対する見方はシビアになっている。

そうしたなか、内燃機関モデルとの比較でも中国製EVとの比較でも、フォルクスワーゲンの新型EVが日本でヒットを飛ばすことは簡単ではないだろう。

欧州では中国を狙い撃ちした関税の引上げを発動中であり、その効果次第でいい勝負を演じることはできるかもしれない。ただ欧州主要国で補助金が縮小しEV全体に逆風が吹く中で、フォルクスワーゲンだけがバカ売れするとは考えにくい。

ということで、新型EVことID.1が業績回復の起爆剤になるという展開は残念ながら期待薄と思われる。ただ昨今、ゴルフやポロも以前に比べ価格の高騰が目覚ましいだけに、もっと手軽に楽しめるフォルクスワーゲン車の登場に期待したいところではある。

（終わり）

（写真：フォルクスワーゲン、BYD）