自動運転で事故が起きたら誰が責任を負うのか考えてみる
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫
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ここで興味深い動きがでてきている。EUから離脱した英国は自動運転の技術領域では日本やドイツに敵わないので、法律で世界をリードしようとしているというのだ。流石は議会制民主主義を最初に作った英国。各国の法律家がジタバタしているうちに「自動運転の法律のスタンダードを作ってしまえ!」とばかりに動き出したらしい。
昨年5月、エリザベス女王が英国議会で読み上げた政府の施政方針演説では、交通社会がより安全に進化することを促進する方針が打ち出された。“事故が起きたとき誰が責任を取るべきか?”について、“人ではなくAIが運転する時代の保険制度のあるべき姿”を英国は真剣に考えている。
欧米の安全に対する考えの基本は、まずリスクを考慮し、社会制度や技術を促進するというものだ。この考え方だと、現行の保険制度を変えてでも、自動運転に関する新しい保険の枠組みを決定することになるはずだ。
具体的には「製造物責任保険を強制保険とする」「製造物責任保険は製品寿命10年間に限定する」といった案が出ている。さらに、制度のアップデートが必要となったケースをどうするかなど、現実的に生じるであろう、ユースケースを想定して保険制度を見直していくことも必要になるだろう。
英国は100年以上も前に、ガソリン車の初期的な普及段階から自動車保険を制度化した実績がある。彼らは自動運転時代を、まるでガソリン車が普及をはじめた時代を懐かしむが如く、フロンティア精神をたぎらせて眺めているのではないだろうか。保険制度と自動運転車の責任の法制化は英国が一歩先に出た。日本も早急に法整備と保険制度を見直さないと、競争に負けてしまうだろう。
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