マツダ i-ACTIV AWD、究極の狙いは「FFより燃費のいい4WD」
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:望月 浩彦
そしてここからが本当の白眉だが、このi-ACTIV AWDは4輪車速やエンジン駆動力はもちろん、ステアリング角からブレーキ液圧まで27種類の情報センシングで「予測」している。
具体的にはコーナリング中に突如ドライから雪面に入る! となると瞬時でリア駆動を増やしてアンダーステアを消すような制御をしている。それも1秒間で200回レベルの高速演算でだ。それらの制御は人間の感覚として自然に感じる方向なので、運転して分かり易かったりはしない。ただ、最終的には雪道もドライとさほど変わりないフィーリングで走れるわけだから凄い。
それと面白いのは、当初の「FFより燃費のいい4WD」の話だが、いくら4WDシステムを軽くし、柔らかい専用オイルを使って機械抵抗を減らしてもドライ路では、FF状態の方が燃費がいいという。そりゃそうだ。ドライは全体の抵抗が小さくなるからだ。
ところが悪路では、確実にタイヤ抵抗が重くなるので4WDにした方が燃費が向上する。そこでi-ACTIV AWDでは、その損得を計算し、常に“燃費的に最適なトルク配分”で走れる。
そしてこれを突き詰め、さらに駆動ロスを減らしていけば「ドライ路面でもFFより燃費のいいAWD」を作れると八木エンジニアは言う。なんというマンガっぽいほどの理想主義だけどこれぞマツダ! またまたその1人突き進む姿勢に参ったオザワなのである。
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