「ヤリスクロス」プロトタイプ試乗 全方位好バランスだがインテリアの色使いを再考してほしい
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 239
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 239
一点気になったのが、上級Zグレードの内装だ。前後ともシートのサイド部分が茶色のフェイクレザー、センター部分が洋品店の店内ではなく店頭に吊ってあるブラウスの柄のようなえもいわれぬ柄のファブリックで、ドア内張りにもシートと同じ茶色で障子のような手触りのテキスタイルが貼られている。田舎の公民館の応接間にあるソファに座布団を載せた状態のように見えた。
シートのフェイクレザー部分の張りが弱く質感を落としているのも気になった。Zグレードを選ぶ限り、どのボディカラーにもこの内装が組み合わせられるという。ツートーンにせよモノトーンにせよ、どの世代にも刺さりそうな魅力的なボディカラーが多いと感じたが、どのボディカラーとならこの内装が似合うのか、少なくとも現場にあった4、5色の中からは見つけられなかった。開発陣は幅広い世代を想定してこうしたというが、あまりにも熟しすぎに感じた。Zグレードには別の内装の設定も検討してほしい。
昼夜歩行者検知機能、昼間自転車運転者検知機能が付いた衝突被害低減ブレーキや車線中央維持支援機能をはじめとした、ヤリスで大幅に充実した先進安全装備がヤリスクロスにも備わる。ヤリスでは速度が低下するとキャンセルされるタイプだったため、多くの人をがっかりさせたアダプティブ・クルーズ・コントロールが、全車速対応型に進化したのはグッドニュースだ。ヤリスもどこかのタイミングでそうなるだろう。
ヤリスクロスはコンパクトSUVとして最後発の発売であることを活かし、動力性能、使い勝手、安全装備の内容など、苦手な項目をなくしたクルマになっている。ヤリスは実用燃費のよさで市場を驚かせているが、ヤリスクロスにもそれに準じた性能が備わっているはずだ。価格はまだ発表されていないが、その点でも最後発であることを活かして絶妙な設定になるだろう。
※7/23 13:15 タイトルを修正しました(編集部)
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