【日産にコンパクトミニバン復活の兆し？】「シエンタ」「フリード」の独占市場に「NV200」後継モデルで“やっちゃえ日産”なるか

日産 キューブキュービック

今の日産にもコンパクトミニバンと呼べるモデルがある？

冒頭に、今の日産はコンパクトミニバンを作っていない……と書きましたが、厳密には、コンパクトミニバンと呼んでも差し支えない日産車が存在しないわけではありません。それは「NV200バネット」（以下、NV200）です。

NV200はご承知のように、基本的に商用バンですが、「16X」という乗用5ナンバー登録となるワゴングレードを用意しています。その16Xには2列5人乗り「16X-2R」のほか、実は左右跳ね上げ式のサードシートを追加して7人乗りとした「16X-3R」があるのです。

NV200のボディサイズは全長4400mm×全幅1695mm×全高1850mmで、国産ミニバンの必須条件ともいえるスライドドアも備えています。ちなみにシエンタのボディサイズは4260mm×1695mm×1695mm、フリードは4310mm×1695mm×1755mmです。

NV200も十二分にコンパクトサイズといえますが、全長と全高はシエンタやフリードよりわずかに大きく、しかも商用バン設計ということもあって、室内空間の広さだけなら一番ということもできます。

さらに、NV200の「16X」は乗用ワゴンモデルということで、2～3列目シートは専用設計で、室内に遮音性のあるカーペットを敷くなど、ワゴンならではの快適性への配慮が見られます。

ただし、基本設計が商用バンベースのためスライドドアにオート機能はなく、また運転席周りのデザインや快適装備、予防安全装備、乗り心地などは、最初から乗用設計のシエンタやフリードに劣るのも否定できません。また、もともとの発売が2009年と古いこともあり、ハイブリッドも用意されないので、燃費でも不利です。

＜次のページへ続く＞