オーストラリア警察の「RAV4 ハイブリッド」が容疑者追跡テスト中に警告灯点灯…通常走行では問題なし

クイーンズランド州警察（QPS）が警察車両として導入しているRAV4 ハイブリッド

「過酷すぎた」訓練環境で露呈したハイブリッドシステムの限界

ブリスベンのテレビ局「セブンニュース・ブリスベン」が報じたところによると、このテストでは急加速と急減速を何度も繰り返すシナリオが設定されており、ハイブリッドシステムに強い熱負荷がかかったといいます。

映像では、訓練コースを走行するRAV4 ハイブリッドのトラクションコントロールが自動的に解除され、車両の挙動が乱れる様子も確認されました。

クイーンズランド警察は、2025年から「カムリ」などの既存車両を置き換える形で、約400台のRAV4 ハイブリッドを導入する計画を発表しています。しかし、こうした訓練結果を受けて、警察内部では配備計画の見直しを求める声も上がっています。

内部資料では、「警告灯が点灯した場合は直ちに運転を中止し、車両を停車して冷却を行う必要がある」との記述もあり、「一定温度を超えると自動的に出力を制限し、車両が“安全モード（リンプモード）”に切り替わる」と説明されています。

この“リンプモード”とは、車両を損傷から保護するために一時的に出力を抑える安全制御機能で、加速が鈍くなるなど走行性能が制限される状態を指します。

警察組合のシェーン・プライアー会長は、「安全性に懸念がある車両を現場で使用すべきではない。事前に十分なテストが行われるべきだった」とコメントしています。