ニスモ名義の特別なマーチ、その乗り味は?
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:中野 英幸
マーチ・ニスモSに乗ると、なによりも印象的なのはエンジンである。ノーマルの1.2リッターとは別物にパワフルなのは当たり前だが、ご想像のとおり、のけぞるほど速いわけではない。ただ、専用チューンをうたうだけに、まずはピックアップの鋭さと図太い排気音が、なかなかの気分。さらに4000rpmあたりからグイッとトルクと音の勇ましさが増すあたりは、最近めっきり貴重になった“チューニング自然吸気”ならではのフィーリング。数値から想像される以上に気持ちのいい好エンジンである。
5速MTのシフトフィールそのものはごくフツーで、意地悪くいえば“実用車のマニュアル”といった風情。かなうことならシフトフィールにもひと手間かけて欲しかったところではある。しかし、このグニャッとした感触の変速レバーをなだめすかしながら駆使して、エンジンをブオブオいわせるのがコツ。しかも、ポテンザRE11(!)なんていう超武闘派タイヤが、いちいち小石を巻き上げてチャリチャリというレーシーなノイズを奏でる。これらの音を聞いているだけでも、気分は十分以上に盛り上がる。
乗り心地は素直に硬めで、最新基準でいえば低速でのズンドコ感は強い。このあたりはタイヤをポテンザのRE050かS001にしてチューンし直せばかなり改善されそうな気がするし、グリップ性能はそれでも不足ないはずだが、そうすると前記の“チャリチャリ”がなくなってしまうから悩みどころだろう。
操縦性はしなやかに荷重移動して吸いつくタイプではないが、ステアリングは正確。ウデにおぼえがあれば、VDC(ビークル・ダイナミクス・コントロール)をカットしてタックインを駆使してチャキチャキ曲がれる。
驚くべきは乗り心地の硬さは残るにしても、16インチのRE11を過不足なく履きこなしており、懸念されたオーバースペック感は薄め。このニスモSは専用強化ボディをもつが、マーチが使うVプラットフォームはシンプルで安価だが、ノーマルの時点でも剛性感は高かった。マーチは意外にも(失礼!)こういう用途に適した素材なのかもしれない。
ライバルはずばり、スズキ・スイフトスポーツやホンダ・フィットRSだろう。マーチ・ニスモの価格設定もそこにドンピシャ。ただし、ライバルの2台はベース車両の車格がマーチより上級で、なおかつともに正式なカタログモデル。正直なところ、絶対的なフィジカル能力やオールラウンドの洗練性では、マーチ・ニスモはこれら2台にはちょっと引けをとる部分もある。しかし、この種を好むマニア層(私を含む)には“少しばかりアラさが残った改造車っぽさ”も無視できないキモなわけで、その点ではマーチ・ニスモがライバルをリードする。
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