アメ車が日本で売れないのは“非関税障壁”のせいじゃない! トランプと米メーカーがやるべきただ1つのこと
掲載 carview! 文:山本 晋也 64
掲載 carview! 文:山本 晋也 64
アメリカ・トランプ政権による「相互関税」のニュースが飛び交う日々ですが、日米間の相互関税では「非関税障壁」がキーワードになっています。これは関税以外の輸入を阻む規制などを指した言葉で、とくに自動車ではよく使われてきた歴史があります。
日本はアメリカに対して自動車関税をかけていないので、関税自体は障壁になりません。一方、アメリカは従来の2.5%を11倍とした27.5%の関税を4月2日より発効。日本をはじめ世界各国から輸入する乗用車の価格上昇は避けられない状況になりました。
このアメリカによる自動車関税の増税や相互関税を正当化するための根拠が「非関税障壁」なのですが、一例としてトランプ大統領が「日本ではクルマにボウリングの球を当てる試験がある」と愚痴ったことが話題となりました。※人間の頭に見立てたボウリング(インパクター)をクルマのボンネットに打ち出して、歩行者の頭部の受ける衝撃を計測する試験で、国連欧州委員会の基準に準拠しており、実際には日本独自というものではない。
好意的にとれば、歩行者保護に関する試験の映像を見た印象をそのまま言葉にしたのでしょうが、もはや議論に値しない事例さえ非関税障壁として認識していることがわかります。
だからといってトランプ大統領の主張をナンセンスとバカにするのは間違いでしょう。
映画「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」でも紹介されていたように、トランプの成功法則は「アタック・アタック・アタック」であり、「非を絶対に認めない」ことであり、「勝利を主張しつづける」ことだからです。
※アプレンティス」は米のリアリティ番組で、ホストとなる実業家のトランプが選んだ見習い(アプレンティス)たちが生き残りをかけて課題に挑戦していく番組で、ドナルド・トランプを一躍有名にした。
そんなトランプ政権では「日本ではアメリカ車が一台も走っていない」という極論で“自動車市場の解放”を主張しています。しかしながら前述したように日本は輸入車へ関税をかけていません。クルマ好きの多くが「アメ車が売れないのは魅力がないから」と切って捨ててしまうのは当然の状況というわけです。
>>【日本に入ってくる?】現代を代表する“アメ車”たちをギャラリーで見る
(次のページに続く)
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