新型ケイマン、ベストバイグレードはどれだ？

ケイマン S（7速PDK）

ボクスターと悩んだら積載力をチェック

ケイマンかボクスターか。スタイリングに関してはもうお好みで、と言うしかない。ただし個人的にはボクスターよりカッコいいのでは？　と感じている。先代ケイマンはスポーティではあったが、いささか美しさに欠ける感じがしてあまり好きではなかった。その点、新型ケイマンにはエレガントさが加わった。スポーティでありながら、911のような美しさを身につけてきたと思うのだ。

とはいえ、オープンエアモータリングを求めるなら、当然ながらボクスターということになる。そこで気にかかるのは前述したボディ剛性だが、比べればケイマンに軍配があがるとはいえ、ボクスターでも剛性感に不足はまったくない。ニュルブルクリンクのような大入力がかかるサーキットを攻めれば違いが出るのだろうが、ワインディングロードを気持ちよく走る程度ならボクスターでも不満を感じることはないと断言できる。

街中の荒れた路面を走った際のボディのしっかり感や乗り心地、振動減衰についても同じことが言える。趣味はサーキット走行です……という人でなければ、ボディ剛性を理由にケイマンを選択する必要はないだろう。

むしろもっとも異なるのが積載力だ。ミッドシップゆえ、両車には前後にトランクルームが付いている。フロントは同サイズで、深く、予想以上に使える。リアのトランクはボクスターは独立式、ケイマンはハッチゲートを介してリアシート背後までの広い面積に荷物を積み込める。たとえばゴルフバッグのような長尺ものを積むときはケイマンが圧倒的に有利。大型のキャディバッグだと1個しか詰めないが、小ぶりのものなら縦に2セット入るかもしれない。ボクスターにゴルフバッグを積むとしたら助手席に押し込むしかない。

僕はゴルフはしないが、いざというときの利便性を考えるとケイマンの積載力は魅力だなと思うし、ゴルフが趣味の人ならもはや選択の余地はない。利便性をとるか、オープンエアモータリングの爽快感をとるか。これも貴方の判断に任せるしかない、というのが正直なところだ。