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BMW i8 インプレが到着。走りも技術も近未来

まるで横に移動するようなコーナーリング

ここまで軽さにこだわるのは、効率とダイナミクス性能の双方を追求するためだ。i8はBMWグループ初のプラグイン・ハイブリッドモデル。外部からの充電が可能で、フル充電で35kmのモーター走行ができる。

約200kgのPHVユニットの重量増へ対処するために、乗員スペースを軽量なカーボンでつくり、車両重量を1485kgに抑えることに成功。しかも、バッテリーなどの重量物をクルマの低い部分に配置して、低重心化と走りのバランスを向上させる前後重量バランスの最適化も実現している。数値を見てもi8はBMWのラインナップで最も“腰を落とした”重心高460mm以下となっているのだ。

このi8で開発された技術は、後にBMWの他のモデルへ展開されるだろう。スポーツ性能を突き詰めたMモデルの技術によって通常のBMWモデルの走りが磨かれるように、効率向上技術の追求として、iは今後、BMWの車両開発の重要な役割を担うことになる。

そのルックスからも地面にベタッと張り付くイメージがあるが、i8の実際の動きはそれ以上だ。重心の低さにより、カーブではクルマが傾く感覚がとても少なく、路面に吸い付くような感覚と共に、横にクルマが移動している錯覚を生むほどの旋回力を生む。しかも前後バランスが良いためか、クルマ自らが乱れたバランスさえも収めてしまうのだ。

興味深いことに、タイヤは特に太くはない。むしろ、軽量化と低重心と重量バランスの良さにより、タイヤを太くした様な安心感とドッシリ感が生み出され、i8が紛れも無いスポーツカーであることを実感させられるのだ。

もちろん、このスポーティな走りを100%味わうべく、i8のシート形状は適度なタイト感があり、センターコンソールはドライバー側に12度傾けられて“コクピット感”が演出されている。さらに言えば、前方見切り性能が良いわりに、特別なクルマを運転している感覚を絶えず感じられるのも魅力だ。

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