幻のホンダ スポーツ360、S660プロトと共演へ
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:吉田 匠、本田技研工業
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:吉田 匠、本田技研工業
ではホンダ スポーツ360、略してホンダ S360はどんな成り立ちのクルマだったのか。基本は、スチール製梯子形フレームのフロントにエンジンを縦置きして後輪を駆動する、本場ヨーロッパでも一般的だったいわゆるFRのスポーツカーで、オープン2座ボディはプロトタイプではFRPだったものの、市販型はスチールボディを前提としていた。
S360は多くの特徴を持つクルマだったが、まずはサイズがそのひとつだろう。当時の軽自動車規格は、エンジン排気量360cc以下、ボディサイズは全長3m以下、全幅1.3m以下と定めていた。そこでS360もそれにしたがって、ボディは全長2990×全幅1295×全高1146mm、ホイールベース2000mmという超小型に仕上げられていた。
ところがその軽サイズに仕上げるために、S360は大きな構造的特徴を持つことになる。全長が3mと短いために、通常の位置にデフを置くと、燃料タンクかトランクルーム、そのどちらかを配置するスペースがなくなってしまう。そこで御大・本田宗一郎が発案したのが、デフを通常より前に置き、そこから後輪まではアルミのケースに入れたチェーンで駆動するという、チェーン駆動トレーリングアーム式独立懸架の後ろ脚だった。その結果S360は、燃料タンクと狭いながらトランクルーム、両方を確保することができた。
もうひとつの特徴は、そのエンジンだった。360cc時代の軽自動車のエンジンの大半は空冷2気筒で、しかも2ストロークが多かった。ところがS360は違った。それは4ストロークの立派な水冷直列4気筒で、しかもシリンダーヘッドはモーターサイクルの高性能エンジンのようなDOHCを採用、そこに4連キャブレターを与えて、356ccから33ps以上/9000rpmのパワーと2.7kg-m/7000rpmのトルクを絞り出すとされていた。
当時の軽自動車の大半は20ps以下だったから、S360のエンジンスペックがいかに驚異的だったか分かる。しかもそのスペック表には、車重510kg、最高速120km/h以上という、当時としては大いに魅惑的な数字が並んでいた。ちなみに5ナンバー仕様のスポーツ500は全長3195mmとテールがS360より20cm長く、エンジンは492ccで40ps以上、最高速130km/h以上という性能数値が公表されていた。
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