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アウディ RS 5に試乗! 新世代クワトロのキレ

新世代クワトロが限界を引き上げた

この超高回転型エンジンでありながら太い低・中回転トルクも備える特性には、アウディのエンジン技術の高さを感じるが、その影にはデュアルクラッチトランスミッション(Sトロニック)の存在も見逃せない。と言うのも、変速時にはエンジントルクが若干しぼられる制御が見受けられるが、同時に半クラッチを絶妙に使って過度な負荷を減らす制御も確認できる。

つまりは、エンジンだけではRS 5が実現している全シチュエーションでの扱いやさと速さの両立は難しく、Sトロニックとの協調制御によりRS 5は魅力を深めているということ。さらに言うと、そもそもSトロニックがなければ、シフトミスなどへの対処が要求されるので、ここまで攻め込んだエンジンの造り自体が実現出来なかった可能性もあるのだ。

これら魅力を深めるエンジンとトランスミッションの協調制御は、今後多くのモデルで押し進められると予想できるが、もうひとつ波及するだろう技術がRS 5にはある。それが新世代クワトロシステム、クラウンギアを使った軽量コンパクトなセンターディファレンシャルを使用する4輪駆動方式だ。

基本は前後40:60で駆動力を配分しながら、走行シーンに合わせて前輪70%、後輪85%まで駆動力をコントロール可能。今まで以上に積極的にリアタイヤを駆動するこのクワトロシステムの効果もあり、RS 5は4輪駆動とは思えないほど鋭く曲がりだす。

しかも、曲がりだしてからは4輪駆動の安定性と、最近多くのハイパフォーマンスカーが行っている内輪に“かすか”にブレーキをかけて旋回力を強める制御、さらには曲がりながらアクセルを踏んでも後輪外輪を積極的に駆動させて旋回力を維持するスポーツディフェレンシャルの効果が相まって、驚くほどの速度で曲がれる。その限界域のレベルは、高い安定性と安心感を与えるクワトロシステムを搭載しているのに、緊張を強いられるほど高いのだ。

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