BYDが日本に「軽EV投入」を発表。独自の“ガラパゴス市場”に中国メーカーはどう攻め込むのか?
掲載 carview! 文:大音 安弘 115
掲載 carview! 文:大音 安弘 115
とはいえ、日本車よりも安価で航続距離の長い軽EVを投入したとしても、日本の消費者が即飛びつくということはないだろう。日本ではEVの購買意欲はまだハードルが高く、ハイブリッドの方が好まれる。
しかし、法人に目を向けると話は違ってくる。現在求められるCO2削減などの環境対応に、安価で航続距離が長い軽EVとエンジン車の軽自動車を入れ替えたいという企業は少なくないはずだ。
それを裏付けるように、軽商用EV市場では総合性能で優れるホンダ「N-VAN e:」が基本設計が古く性能が劣るものの安価な三菱「ミニキャブ EV」に販売で苦戦しているという現実がある。ニーズによって選ぶ答えは違ってくるのだ。
先の販売店幹部にBYDのライバルを尋ねると、はっきりと国産車と名指しして「安くて高品質ならば、確実に売れる」と断言した。その理由を尋ねると、欧州ブランドと比べてBYDの開発スピードの速さと、コスト削減への期待の2点を挙げた。BYDは新たな軽EVだけでなく、ラインアップ全体で身近な国産大衆車の市場を狙っているのだ。
その一環として、4月1日にドルフィンのエントリー価格をキャンペーン価格と同じ299.2万円まで引き下げ、ドルフィンの上位グレードを33万円引き下げ、コンパクトSUV「ATTO3」を32万円引き下げた。これは、バッテリーを内製しているBYDだからこそできる“技”といえる。今後のラインナップも、国内で人気がある仕様が強化される可能性が高い。
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現時点でBYDは日本車の脅威ではない。しかし、かつて日本が得意としていた家電は中国ブランドが勢いを見せ、スマホではなおさらという現状がある。特に国内のEVに関してはそうならないとは言えないだろう。
しかし、軽の規格は制約が多いため、製品作りのハードルは非常に高いという面がある。BYDがどのような軽EVを仕上げてくるのか注目だ。
(終わり)
(写真:BYD、日産、三菱、ホンダ)
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