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ヴァンキッシュ、英国スーパーGTに酔いしれる

コーナーリングと脱出加速が命

5.9リッターV12と6段ATのもたらす加速はもちろん素晴らしくパワフルなもので、深く踏み込めば背中をバックレストに押しつける息の長い加速をいつでも味わえる。エンジンは低いギアでは6900rpmまで一気に、しかもスムーズに吹け上がるが、しかしアストンV12、断じてトップエンドまで回すことをせがむタイプのエンジンではなく、中速域で適度に踏み込んだときに期待どおりトルクを盛り上げてくれるのが気持ちいい。そう、ピークパワーが命のイタリアンとはある意味で対照的な、常用域におけるレスポンスとトルクの豊かさを持ち味とする、まさにブリティッシュなパワーユニットなのである。

20インチのピレリPゼロを履く脚は、ダンピングを3段階に切り替え可能だが、最もソフトな標準状態で走る限り乗り心地はまことにスムーズで、すこぶる快適だといっていい。ダンピングを中間のスポーツに切り替えると、ボディの上下動がやや速まるが、依然として快適といえる乗り心地をキープする。テストルートには、舗装路ながら大きくうねった路面が続く場所が何カ所もあって、ヴァンキッシュはそこでサスペンションのストロークを使い果たしていたはずなのに、フルバンプを実感させる強い衝撃はまったく感じられなかった。バンプラバーの設定が巧みであると同時に、アルミ製プラットフォームの上に構築されたフルカーボンボディの剛性の高さを、見事に実感させられた思いだった。

ならばコーナリングはどうかというと、そこはカントリーロードの大半がワインディングというイギリスのスポーツカー、操舵力はやや軽めながら路面感覚を繊細に伝えるステアリングとスロットルを操作するまま、ボディサイズを忘れさせるフットワークでコーナーの連続を走り抜けていく。エンジン搭載位置がDBSより19mmも下がったという事実を納得させるかのような、フロントの重心の低さを実感させる鋭い切れ味を見せながら、ヴァンキッシュは安定した挙動を保ってカントリーロードを風のように疾駆したのだった。コーナーリングとそこからの脱出加速がブリティッシュスポーツの命だが、カーボンセラミックローターを備えるブレーキが常に信頼に満ちた制動を立ち上げてくれたのも心強い。

ニュー・ヴァンキッシュ、それはモダンなスタイルのボディの内側にブリティッシュなスピリットを存分に注入した、大人のための、快感に満ちたスポーツGTなのだった。

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