人気のクロスオーバーSUVに、なぜ便利な“スライドドア”が採用されないのか？ たった1つの“例外モデル”とは

トヨタ センチュリー

実は存在した「スライドドア搭載のSUV」

とはいえ、なかには例外的なモデルも存在します。そのひとつが、2023年に登場した「センチュリー」です。

SUVタイプへと生まれ変わったセンチュリーですが、基本的には通常のヒンジドアが採用されています。

一方、センチュリーでは顧客のニーズに応じてさまざまなカスタムに対応しているといい、そのひとつとして、アイシン製の「リンク式パワードアシステム」を搭載することが可能となっています。

リンク式パワードアシステムは、スライドドアの利点である乗降性の良さと車両そのもののデザイン性を両立する新しいドアシステムです。

また、回転アームなどを用いた新開発の構造部品を採用することにより、従来のスライドドアでは必須とされていた車体のレールが不要となっており、センチュリーのデザイン性と乗降性を見事に両立しています。

コスト面から、一般的なクロスオーバーSUVへの採用には課題も多いリンク式パワードアシステムですが、「スライドドアを搭載したSUV」のひとつのかたちであることはたしかです。

（終わり）

（写真：トヨタ、三菱）