スペーシア カスタムのオススメグレードは?
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:藤島 知子/写真:小林 俊樹
欧米人と比べると大して身体は大きくないハズなのに、クルマの広さに豊かさを感じてしまうのは、私たちが狭い国土の住人だからだろうか。荷物を目一杯詰め込む商用バンならともかくとして、乗用車に広い空間を与えようとすると、さまざまなネガを生んでしまうのに。
一つ目のネガはデザインに生活感が滲みやすいこと。ある外国人カーデザイナーがN BOX+の姿を見て、「どうして醜いクルマを作るのか?」と解せない様子だったが、『家族を思いやり、生活を豊かにする空間だ』と話すと、『申し訳ない事を言った』と頭を下げていたのが印象的だった。
彼が言うのもムリはない。譲れないものを際立たせるために余計なものを削ぎ落す欧州流のクルマ作りと、継ぎ足す事で付加価値を与える文化の違いだからだ。その点では、パレット改め、ボクシーなスタイルで更なる空間効率を手にしたスペーシアは、ボリューム感のあるスタイルを上手に着やせして見せるテクニシャンだ。ワゴンR スティングレー譲りのスケルトンの一文字のグリルは、LED照明が凜々しい表情を演出。面が大きなボディパネルはライバル同様にボリューム感を与えるはずなのだが、ガラス一帯をブラックアウトして水平方向に繋げて見せることで、スッキリとしたサイドビューを印象づける。乗り手のスタイルを邪魔しない引き算的なディテールは、背の高さを意識させるN BOX+やタントのカスタムモデルとは対照的だ。
さらに、スペーシア カスタムはメタリックとパール色を主体としたクールなボディカラーと洗練されたデザインのホイールがキリリとしたテイストを自然体で表現している。背伸びをしたり、奇をてらっていないところは、どこかホッとさせてくれるキャラクター。カスタムだから"やんちゃ"ではなく、老若男女の誰もが受け容れやすいデザインといえるだろう。
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