“10cm浮いて走るスポーツカー”新型BMW X4をただのキワモノと見るべきではない
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦
ただ、その立派な体格のおかげもあって、先代で指摘されていた後席の狭さはかなりのレベルで解消された。広々……とまではいわないが、後席の足もとや頭上はCセグメント実用ハッチバック程度の空間が確保されている。また、X3より長いリアオーバーハングがX4のスタイリング上のキモでもあるので、荷室長などのラゲッジの使い勝手はもともとX3より良かったりする。
今回日本導入された新型X4は2種類のエンジンで、計3グレードが用意される。エンジンはいずれもガソリンでディーゼルが用意されない点は、偶数車名モデルに共通するBMWジャパンならではの戦略だ(欧州ではX4にもディーゼルがある)。
2.0リッター4気筒ターボを積む“30i”は標準モデルとMスポーツの2グレードあるが、全車にスポーツサスペンションが標準装備されるのはグローバルで統一されたX4の特徴という。エンジンが同じであればバネやダンパーのセッティングも共通だそうで、30iにおける走りのグレード差はタイヤサイズのみ……と書きつつも、箱根のターンパイクを起点に開催された今回の試乗会に用意されたX4は、すべて最上級の“M40i”だった。
X4のM40iも他の“M○○i”同様に、ハイエンドスポーツモデルの“M〇”の下に位置づけられるものの、エンジンからシャシーまで専用に手が入る本格派ではある。
3.0リッター直列6気筒ターボは“Mパフォーマンス”による専用チューンで、360ps/500Nmというスペックは540iや340iなどの同エンジンよりハイチューンとなる。また、サスペンションもM専用仕立てのアダプティブ可変ダンパーが標準装備である。
Mパフォーマンスの直列6気筒はパワーやレスポンスもさることながら、音については良くも悪くも「やりすぎ?」といいたくなるほどの過剰演出である。スポーツモードだとスロットルオフで“ズババババンッ!”とアフターファイア音が盛大にとどろく。
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