シトロエン「C3 エアクロス SUV」は見た目はなんちゃってだけど、元気な走りの爽快コンパクトSUVだ
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:小林 俊樹
足まわりは、キビキビしていてスポーティだ。といってもぴょこたんと跳ねるとか、突き上げがキツいというわけではない。しっかり感と快適性が上手にバランスしつつ、6:4でややしっかり感寄り、といった具合だ。
ステアリングホイールも正確なので、初心者からクルマ好き、運転好きまで、幅広い層に気に入られるはずだ。
特筆すべきは後席の乗り心地で、この手のコンパクトカー、特に車高を上げたSUVの場合、前席の乗り心地はいいのに、後席は突き上げが厳しいというケースがままある。
ところがこのクルマは、後席でも前席と大差ない快適な乗り心地を味わえるのだ。このあたりのセッティングの妙は、コンパクトカー作りに長けたフランスのメーカーらしいと感心した。
ひとつだけ気になったのが路面から感じるざらざらした感触。2つのグレード「FEEL」と「SHINE」は16インチの夏タイヤを履く一方で、試乗車は「SHINE」にパッケージオプションを装着しており、17インチのオールシーズンタイヤを履く。あるいは、このタイヤが原因かもしれないけれど、16インチを試すことができなかったので断言はできない。
はっきり言えるのは、FFのC3エアクロスの場合、スキーなどで本格的な雪道を目指すならオールシーズンでは無理で、スタッドレスに履き替える必要がある。となると、わざわざオプションでオールシーズンを装着する意味はないのではないだろうか。
ただし気になったのはこの一点のみで、愛らしい形に素直なドライブフィールを備えた、好ましいコンパクトSUVになっている。サイズから考えれば荷室と後席の広さも充分以上。
購入にあたってスペック的にライバルに劣るのは、アダプティブクルーズコントロールが用意されないこと。だが、このクルマが刺さる人は、そもそもカタログのスペック欄を見ない人種だという気もする。
カーシェアリングやレンタカーの方が合理的だというのが十二分にわかっている上で買うクルマというのは、このクルマのように一緒に暮らしたくなるキャラの立ったモデルだろう。
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