新型ゴルフR試乗。500万円強の価値はあるか

新型ゴルフR試乗。500万円強の価値はあるか

■4WDとフル装備の電子制御デバイス

テスト車に装備されていたトランスミッションはすべて6速マニュアルで、トレーニングプログラムにある氷上ドリフト走行でギアを固定するための選択であった。つまりDSGでは同じギアと高い回転数を保っての長時間走行は不可能なのだ。

まずは完熟走行のためにトラックを周回する。新エンジンは特にパワフルで、低回転域からトルクが沸き上がり、スロットルペダルに対する応答性も素晴らしくちょっと右足に力を入れると土煙ならぬ、雪煙がボディを包み込む。

すでに5世代目へと改良されたハルデックス・クラッチを持った4WDシステム「4モーション」は電子油圧制御の多板クラッチが後輪のスリップを感知すると瞬時に最大で100％までのトルクを後輪に伝達する。このクラッチが縦方向のロッキングを行う一方で、横方向、すなわち左右のロッキング作動を受け持つのがEDS (エレクトロニック・ディファレンシャル・ロック)である。ゴルフRの場合は前後のアクスルにこのシステムが採用されている。

一方、パワフルなゴルフR にはXDS+と呼ばれるコーナー内側の車輪の空転を防ぐシステムも装備されている。前後のアクスルに装備されたこのデフロックシステムによってコーナーでの脱出は非常に容易くなっている。