話題の新型燃料電池車ミライはアルファード好きよりクラウン好きに刺さるかも!?
掲載 carview! 文:小沢 コージ /写真:望月 浩彦 90
掲載 carview! 文:小沢 コージ /写真:望月 浩彦 90
その分は走りはメチャクチャ頑張ってます。社内で“匠”と呼ばれる走行実験部の担当者は「クラウン、レクサスを超える理想のトヨタFRの走りが実現できた」と言うほどで、スペースでかなわない分、走りの質をガソリン車以上に仕立ててあります。
最大のポイントは前述3本目の水素タンクを配したことで得られたボディ中央の大口径トンネル構造。結果、ガソリン車以上のフロア剛性が得られて、低重心も両立。同時にレクサスセダンでもなし得てないでも50対50の前後重量配分も実現しました。
その結果、乗り心地は、エアサスを使ったレクサスよりいいんじゃない? というレベル。同時にコーナリング時の滑らかな舵の効きと限界領域での挙動はクラウン&レクサス超え。ヘタなピュアスポーツを超えるフィーリングの良さです。
普通にタウンスピードで走ってる限りは、素直にクルマが動くなぁと感じる程度ですが、雨の日に高速で飛ばすとその安心感、ステアリングフィールの良さに驚きます。
かたや動力性能ですが、燃料電池に圧縮空気を送り込むコンプレッサ作動音を初代ほどは感じないのと、182ps&300Nmの駆動モーターによるパワフル感はなかなか。欧州の高級ピュアEVには負けますが、出足の良さと滑らかさはさすがです。
さて結論、車両価格700~800万円台、補助金の百数十万円を引くと600万円台から買える新型ですが、メルセデスやBMWのミドルセダン、あるいはその4ドアクーペから乗り換えるかは少々疑問。そのパターンもあるでしょうが、セクシーさで超えたとは言い難い。
ただし、国産高級セダンのレクサスやクラウンユーザーが振り向く可能性はありでしょう。走るのが好きで、クルマに500万円以上払う余裕があり、なおかつ「クルマのことを分かっている」と自負するセダン好きは意外にミライに食いつくのでは?
もちろん水素ステーションの少なさはハンディキャップで、自宅のそばにたまたまある人しか現実的には買えないと思いますが、大都会に住むクルマ好きリッチマンは結構います。
意外に今後なくなる? ともウワサされる年配のクルマ好きクラウンオーナーに響くような気がします。もちろんその拡大したボディサイズが許せる人のみですが。 ぶっちゃけアルファードを好むイマドキのオーナーには響かないと思いますが、我こそは! と思う違いのわかるクルマ好き&セダン好きにオススメ。小沢はそのように感じた次第であります。
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