【まさかの展開】ガラパゴス扱いだった軽が欧州標準に? EU「Eカー」構想が映し出す中国EVの脅威と日本の軽への期待
掲載 carview! 文:大音 安弘 34
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日本では高級輸入車市場をほぼ独占しているといっても過言ではないほど、根強いファンを持つのが欧州車だ。その生まれ故郷であるEUでは、新たなカテゴリーのクルマの検討が始まっているのをご存じだろうか。それが「Eカー」と呼ばれる構想である。
欧州(EU)の行政執行機関である欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長は、2025年9月の演説で、欧州自動車産業の保護策として「Eカー」構想へ取り組む方針を示した。
「Eカー」とは何なのだろうか。このストーリーは、今年6月にイタリアを本拠地とする欧米自動車メーカー、ステランティスのジョン・エルカン会長が「欧州は、日本の軽自動車のような安価な小型車の開発が必要だ」と発言したことに始まる。
その際にエルカン会長は、軽自動車が日本の新車市場の約4割を占める現状を挙げ、そのポテンシャルの高さを強調した。
後の欧州委員会での発表では、Eカーの定義として「環境に良い(environmental)」「経済性が高い(economical)」「部品を含め、欧州製であること(european)」の3つが示されている。
欧州委員会の動きが早かったのは、フランスのルノーのルカ・デメオ元CEOが、欧州委員会に対してボディサイズに応じて異なる規制を設け、小型車の税制負担を軽減するよう求めていたことが背景にある。その後、ステランティスとルノーが連携してロビー活動を続けてきた成果ともいえるだろう。
大衆車を持つ欧州大手メーカーが速やかに行動を示したのは、EU市場に安価な中国車のBEVが次々と参入しているからだ。フランス市場を例に実態を見ると、日本にも参入済みのBYDは、コンパクトBEV「ドルフィン」よりも小型かつ低価格のエントリーモデル「ドルフィン サーフ」を1万8990ユーロ〜(約343万円〜)というプライスで投入している。一方、ルノーの同クラスとなる小型BEV「5(サンク)」は2万4990ユーロ〜(約452万〜)だ。
もちろん装備や性能差などを考慮する必要はあるものの、6000ユーロ(約108万円)というエントリー価格の差は、消費者の関心を引くには十分なインパクトがある。そこで、ボディサイズと排気量に制約がある代わりに、税金を含めランニングコストが抑えられる日本の軽自動車に白羽の矢が立ったのだ。
(次のページに続く)
#Eカー #EU政策 #軽自動車 #中国EV #自動車業界動向
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