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最終型こそ最善のBMW 熟成の5シリーズに乗る

最終型が最善のBMWという通説に偽りなし

5シリーズは、デビュー以来6年目に入った現在でも走らせてみると時間の経過を感じさせない。それどころか、昨年あたりで完成型に達したと思っていたが、最近になって走りの機能に変わりはないもののiDriveを進化させたのだ。最終型が最善のBMWという通説に偽りはないわけだ。いや、まだ最終型ではないのかもしれない……。

振り返ってみれば、ディスプレイを見ながら一つのコントローラーによって多くの機能を選択するiDriveのような、まさにイノベーションを感じさせるインターフェイスをアウディやメルセデス ベンツに先行して投入したのはBMWだった。現行モデルの5シリーズは、まずはその第2世代を採用、さらにバージョンアップさせ8種類の機能が任意に選択できるショートカットスイッチ(プログラマブル・ボタン)を追加。そして今回、3シリーズや7シリーズのようにダイレクト・メニュー・コントロール・ボタンを採用した第3世代に進化させている。オーディオのソースなどにダイレクトにアクセスできるスイッチを加えたことで、その形状の工夫によりブラインドタッチが可能なiDriveならではの特徴を維持しつつ操作性を向上させている。

そもそも、iDriveによって実現したインターフェイスにしても単に便利にするだけではなく、スイッチ操作時の視線移動を可能な限りなくし運転に集中させるという、いかにもBMWらしい目的が背景にはある。すべてが走りの楽しさに結びついているといっても過言ではない。コンサバティブになりがちなアッパーミドルクラスのサルーンカーである5シリーズを、強化したサスペンションや18インチのロープロファイルタイヤ、さらに別格扱いとなるM5を思わせるアグレッシブなエアロパーツで武装させたMスポーツ・パッケージを用意することも、BMWがもたらす価値を象徴していると言える。

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