新型アルトの「加飾に頼らないデザイン」、その秘密とは？

デザインを整える

―デザイン改革とも言うべき新型アルト。では、デザイン上、スズキのラインナップの中でどのような位置に置かれるのでしょう？

「デザインについては今回かなりの反響をもらっていますので、今後のスズキ車への影響は少なからず出てくると思います。ただ、デザイン部全体が今後はすべてこの方向だと決めたわけではないですから、やはりそれぞれの車種によるだろうと。たとえば、ハスラーのようなクルマがあるからアルトのようなチャレンジができるとも言える」

―カタログにもあるデザインの「普遍性」をどのように認識していますか？

「一本の線をいかにキレイに引くか、それと丸と四角をいかにきれいに並べるか、これに尽きると。整える、ということですね。愚直にそれを積み重ねる。一時期、世界中のクルマがエモーショナルな方向に偏りましたが、再びこうしたシンプルな方向に回帰するのではないかとも思いますね」

―それがデザインの時間的な耐久性にもつながる？

「先のパンダもそうですが、実はこのクルマはいろいろなクルマに似ていると言われています。他にもフィアットのウーノや初代のゴルフなど、結構バラバラな意見なんですね。これは実用車らしくしっかりデザインされたクルマとして、それらと同じ記号性を持っているのではないかと。私たちはそれを肯定的に受け止めています」