現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 目立たないけど見どころ満載 釜山国際モーターショー2022 日本未導入の巨大MPVも

ここから本文です

目立たないけど見どころ満載 釜山国際モーターショー2022 日本未導入の巨大MPVも

掲載 7
目立たないけど見どころ満載 釜山国際モーターショー2022 日本未導入の巨大MPVも

自動車業界の興味深い一面を見る

釜山国際モーターショーという名前を聞いたことがない人も多いかもしれないが、自動車業界の奇抜な一面を発見できる場所であることは確かだ。主要6メーカーが参加する小さなイベントだが、犬を乗せるためのヒョンデ・キャスパーから移動図書館となったキア・レイまで、韓国の自動車市場を見る上で実に興味深い展示となっている。

【画像】徐々に頭角を表してきた韓国車ブランド【ヒョンデ、キア、ジェネシスの最新モデルを写真で見る】 全107枚

釜山国際モーターショーは、韓国南部の釜山(プサン)で2001年から2年おきに開催されている国際モーターショー。前回の2020年は新型コロナウィルスの影響で中止され、今回は4年ぶりの開催となった。7月15日から24日まで、展示コンベンションセンターBEXCOで行われている。

見過ごされがちな韓国車について、会場を歩きながら紹介しよう。

ヒョンデ・キャスパー

ヒョンデ(現代自動車)のブースには、欧州ですら手に入らない珍しいモデルもあった。ヒョンデi10と部品の多くを共有する、小さなキャスパーだ。釜山では、犬を乗せるための小さなバンとして紹介されていたが(セントバーナードは乗れないかもしれないが)、通常は4人乗りである。

1.0Lガソリンエンジンと4速トルコン式ATを搭載するが、やがて環境規制の厳しい欧州向けにEV仕様も登場するだろう。韓国の「軽車」、つまり日本の軽自動車規格に相当する安くてかわいいコンパクトカーだが、日本でお目にかかる日は来ないかもしれない。

ヒョンデ・スターリア

2021年に登場したばかりの新型スターリアだが、かなり未来的なクルマに見える。今回は折りたたみテーブル、キャプテンチェア、後部座席用のワイドスクリーンディスプレイを備えたエグゼクティブ仕様が展示されている。

一見、EVのような雰囲気もあるミニバンだが、搭載されているのは3.5L V6ガソリンエンジンだ。2.2L直4ディーゼルもある。韓国やオセアニア地域のほか、欧州の一部地域でも販売されており、フォルクスワーゲン・マルチバンのライバルとなっている。

ヒョンデの水素トラック

釜山国際モーターショーにおける主要メーカーの出展は、ヒョンデ、キア、ジェネシスといった韓国ブランドのほか、少し意外なことにBMWグループの存在もあった。しかし、ヒョンデがショーの主役であることは明らかで、新型EVのアイオニック6を一般公開するなど、華やかにステージを飾っている。しかし、展示されていたのはそれだけではない。

ヒョンデは乗用車だけでなく、ありとあらゆる自動車を作っている。その中には、大型トラックやバスもある。釜山では、それら大型商用車の水素燃料電池仕様を展示していた。

この大型トラック「エクシエント(Xcient)」は、欧州でも発売される計画だ。航続距離は約400kmで、水素の充填にかかる時間は8分から20分程度とされている。

韓国ではクラシックカー

ソウルや釜山の街角を歩くと、古いクルマがとても少ないことに驚かされる。低公害地域の影響もあるが、かつて韓国は輸入関税や規制が厳しく、欧州や米国の名車が輸入されることはなかったからだ。

それに、昔の韓国車はあまり良いものではなかったので、たとえ古いクルマであってもノスタルジーはほとんどない。欧米や日本と比べても、クラシックカーの文化はあまり根付いていないのだ。

今回の展示車両は、キム・ジュヨン氏の所有物だ。彼は、インジェ・スピーディウム・クラシックカー・ミュージアムで、韓国人にクラシックカーについて教える立場にある。

ディペコ・ポトロ

主要自動車メーカーの参加は6社のみだが、自動車関連企業の出展は少なくない。それにしても、この幸せそうな顔。モーターショーといえば「モビリティ・ソリューション」のお披露目の舞台だが、小規模メーカーの存在感はとても小さかったと言わざるを得ない。

ディペコ(Dpeco)は比較的小さなメーカーで、バスからこの小型バンまで、さまざまな商用車を作っている。ポトロは、最高出力20psの電気モーターと15.7kWhのバッテリーを搭載し、最高速度70km/h、航続距離約100kmを実現している。

基本価格は2068万ウォン(約218万円)と、三菱のミニキャブ・ミーブ(税込み243万円から)に近い。狭い街中では、ちょうどいい仕事道具になるかもしれない。

オフロード車

ジェネシスとキアのブースを訪ねる前に、オフロード・モーターズを訪ねてみよう。韓国の道路はしっかり舗装されているが、韓国人はリフトアップしたオフロードカーに目がない。街中でもジープ・ラングラーをよく見かけるが、そのほとんどは何らかの改造が施されている。

特に、リフトアップキットや社外ホイールの装着率が高い。グレーのヒョンデやキアが多い中では、非常によく目立つ。ジープが一番多いのだが、トレーラーテントを付けたサンヨン・ムッソや、新型フォード・ブロンコも展示されていた。

ジェネシス

ジェネシスは、ヒョンデの高級車部門にあたるブランドとして欧米での知名度新を高めつつあるが、本国では以前から人気を博していた。トヨタにおけるレクサス的な立ち位置、といえばわかりやすいだろう。今回のショーでは新型車の発表こそなかったものの、G80やエレクトリファイドGV70といった、欧州導入を間近に控えたモデルを見ることができた。

最高級セダンのG90の欧州導入予定はないが、そのスタイリングはかなり攻めている。メルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズ、アウディA8など、保守的な傾向が強いセグメントではあるため、販売台数を競うことはできないだろうが、レクサスLSの良きライバルとなるかもしれない。

G90による空港までの送迎を経験した取材班は、最新のドイツ車ほど派手なガジェットはなく、乗り心地ももう少し修正が必要だが、車内の仕上がりは心地よく、かなり快適な移動だったと評価している。

キア・レイ

キアは、環境への取り組みについて大々的に記者会見を開き、同社のデザイン部門トップであるカリム・ハビブ氏も召喚して、新型セルトス(小型SUV)やEV9コンセプトについて語った。だが正直なところ、取材班はキア・レイの方に興味を惹かれた。レイは、ヒョンデ・キャスパーの兄弟車である。

キア・レイ(RAY)は、韓国では軽車規格にあたる。日本の軽自動車規格との違いは、エンジン排気量が660cc以下ではなく1000cc以下であること、車体サイズが若干大きいことなどがある。

レイのデザインは「トールワゴン」と言えるもので、そのコンセプトはダイハツ・タントに近い。展示車はEV(なぜか移動図書館)だが、1.0Lの直列3気筒と4速ATを搭載したモデルもある。最大の特徴は、リアのスライドドアだ。しかもピラーレス。

レストモッド車両

韓国のレストモッドといえばロードスタッフ(Roadstaff)社。比較的マイルドな改造のポルシェが多い中、マンソリーが考えそうな派手なワイドボディのフェラーリも展示されていた。

興味深いのは、すべてのポルシェにティプトロニック・オートマチック・トランスミッションを搭載していること。韓国では、マニュアル・トランスミッションはあまり普及していない。

実際、マニュアル車は1台か2台しか見かけなかった。日中の渋滞を考えると、釜山をヒール&トゥで走りたくないという人の気持ちもわからなくはない。

BMWとミニ

BMWグループは、釜山国際モーターショーに参加した唯一の国外メーカーで、BMW、ミニ、ロールス・ロイスの独立ブースを構えている。新型BMW 7シリーズと2シリーズ・アクティブツアラー、そして最新のミニJCWの韓国デビューのために記者会見を開いたが、国際的なニュースはなかった。

BMWが人気の韓国

国外メーカーの出展がBMWだけというのは奇妙な話かもしれないが、韓国で最も一般的な国外ブランドはBMWであり、ミニもかなりの数が街中で見受けられた。その他、メルセデス、アウディ、ランドローバー、フォルクスワーゲンも見かけた。

ルノーはサムスンとして販売されており(今年3月にルノー・コリアに社名変更)、プジョーは1台見かけただけ。フィアットやオペルなどは全く見かけない。ホンダと日産は比較的存在感を示しているが、それでもかなり稀だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
<新連載>[失敗しない初めてのスピーカー交換]ツイーターだけを“追加 or 交換”するのは、アリ!?
レスポンス
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
レッドブル、リヤウイングのスペック選定でミス?「空気抵抗が大きすぎる上に、この1スペックしかない」
motorsport.com 日本版
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
約270万円! ホンダ新型「“4.8m級”セダン」登場に反響多数! 斬新「光るボンネット」採用の「“迫力”顔マシン」に「近未来的」の声! 天井はほぼガラスな“超開放感”内装もスゴイ「L」中国で発売し話題に
くるまのニュース
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
ドーナツターン追加や坂の角度が緩やかに。ラリージャパン2024豊田スタジアム特設コースの変更点をチェック
AUTOSPORT web
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
全長5m超えのレクサス高級「“3列シート”SUV」に反響多数! 堂々「カクカク」デザインに「憧れる」「カッコイイ」と熱視線集まる! 広々内装も魅力的な新型「TX」に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
ポップで個性的なモンスター達が作り出す世界観! SHOEIが「Z-8」にNEWグラフィック「YAGYO」を追加
バイクのニュース
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レクサスのレザーもリサイクルでグッズに、リョーサンがトヨタと共同開発
レスポンス
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
グリーンがアクセントの爽やかコスが素敵! SUPER GTのGreen Braveは2人の「埼玉GreenBraveサポーターズ」が応援します
Auto Messe Web
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
【試乗】新型CR-Vの日本導入は水素燃料電池車のみ! 特殊なクルマかと思ったら実用性十分の「買いやすい」モデルだった
WEB CARTOP
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
ベントレー マリナーの技が冴える「エクスプレッション オブ テクスチャー」。感性を刺激する「コンチネンタルGTスピード コンバーチブル」ベースの特注モデル
Webモーターマガジン
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
角田裕毅、F1ラスベガスGP初日は10番手「FP1は苦労したけど、改善できました。ポジティブな兆候です!」
motorsport.com 日本版
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
クルマに付けてる「青地に車いす」マークに“法的効力”一切無し!? 「黄色いちょうちょ」と役割違う? 意外と知らない実態とは
くるまのニュース
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
日高前副会長の後任に、ヤマハ渡部克明会長兼社長が就任【日本自動車工業会】
バイクのニュース
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
50台限定の『ディフェンダー110』発売、アリゾナの自然を表現した「赤」採用 価格は1300万円
レスポンス
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
ヒョンデに続いて韓国のKIAも日本に上陸! どんなクルマが揃っているのかチェックしたらデザインも中身も結構ヤバい!!
WEB CARTOP
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
なぜ12気筒エンジンは魂を揺さぶるのか? アストンマーティン新型「ヴァンキッシュ」は快感以外のなにものでもない。【試乗レビュー】
くるくら
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
ミツオカ、創業55周年記念車『M55』の市販モデルを正式発表。ローンチ仕様を100台限定で発売へ
AUTOSPORT web
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
初代NSXに存在した「やりすぎ」モデル! たった14台しか売れなかった「タイプS Zero」のストイックさに脱帽
WEB CARTOP

みんなのコメント

7件
  • 要らない。
  • 国を問わず、こういうローカルなショーの方が生活感のある車が多くて面白い。しかし、韓国の日産というべき老舗GMは不参加だったのかしら。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村