近年、ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁は少なくなっている。2桁ナンバーは、20年以上前に登録された証だ。そんな、ふた昔前のクルマに乗る理由とは? 第13回は“大宮33”の日産「スカイラインGT-R」のオーナーをたずねたお話の前編。
偶然の出会いは映画の取材
今回、取材した日産「スカイラインGT-R」との出会いは偶然だった。『ALIVEHOON アライブフーン』というドリフトを描いた映画がきっかけなのだ。
主演を務めた野村周平さんを取材することになり、映画の雰囲気を出したいと思ったボクは、撮影用に車両を用意することにした。ドリフト走行を想起させる、日本製の後輪駆動スポーツを。
ドリフト映画『ALIVEHOON アライブフーン』の主役は彼しか考えられない──俳優・野村周平インタビュー1月14日、[俳優・野村周平さん](https://www.amuse.co.jp/artist/A8206/){: rel="nofollow" target="_blank"}が主演のドリフト競技の[映画『ALIVEHOON アライブフーン』](https://alivehoon.com/){: rel="nofollow" target="_blank"}の製作発表がおこなわれた。早速、野村さんに単独取材を敢行した。そこで、8代目スカイライン(R32型)の2ドア・クーペを所有する知人に連絡した。が、「今、修理に出していてちょっと取材日には間に合いそうもありません……」と、残念な返信。続いて、「誰か所有している人を探しましょうか?」と、嬉しい提案が届いた。
野村さんの取材当日、知人が声をかけてくれたS14型の日産「シルビア」がやってきた。筆者とシルビアのオーナーはこの日が初対面。20歳の大学生で、体育会自動車部に所属しているという。
撮影後、あれこれ話していると、なんと実家にR32型スカイラインのGT-R、それも“大宮33”ナンバーのそれがあることがわかった。お父様が新車から所有しているというからびっくり! しかもご実家がお寺と聴き、もう一度びっくり! GT-Rを愛するお坊さんに会ってみたい。
「これは取材せねば!」と、すぐにオファーしたところ快く引き受けてくださった。感謝しかない。
憧れだったGT-R
「“修行”が終わった直後に購入したんです。1992年末でした」
新車からR32型GT-Rを所有し続ける中村さんは、ご住職で、“修行”とは僧侶になるために本山で行った修行(実習)期間のことだ。
「当時、500万円ぐらいで、かなり長いローンを組んで購入しました。『フェアレディZ』(4代目)や三菱『GTO』も検討しましたが、当時、“グループA(全日本ツーリングカーレース)”で活躍していたGT-Rの印象が強く、ほぼほぼGT-Rで心は決まっていました」
そこで近所の日産ディーラーへ足を運んだものの、GT-Rは展示車がなかった。
「カタログだけでももらおうとするのですが、最初の2店はくれなかったんです。22歳だったから“冷やかし”だと思われたのでしょうね(笑)。チラシのようなたった1枚の車両案内しかいただけませんでした。でも、3店目の若いセールスマンさんは『どうぞコーヒーでも飲んでいってください』と言って、本物のカタログをくれたんです。それがきっかけで、その店舗で購入しました」
中村さんが購入したスカイラインGT-Rは、いわゆる“中期モデル”の標準仕様で、ボディカラーは「ガングレーメタリック」だった。
「本当は“白”にしたかったのですが、納期に時間がかかるというので無難な“ガンメタ”にしたんです。当時は若かったので、自動車保険が年50万円ほど掛かりました(苦笑)」
そのガンメタのGT-Rの塗装は新車当時のまま。31年にもなるのに、1度も塗り直していない。「車庫で眠っていた時間が長かったからでしょうね」と、中村さん。
「最初の2年ぐらいは毎日乗っていましたが、だんだん“運転が楽なクルマ”に乗るようになってしまって、GT-Rは乗らなくなってしまったんです」
“楽なクルマ”とは、スバルの初代「レガシィ・ツーリングワゴン」だ。
「パワーもあって速かったですし、意外と運転も楽しかったんです。レガシィは3台、乗り継ぎました」
今でも「レヴォーグ」を所有している。中村さん、実は“スバリスト”でもあるのだ。
2桁ナンバー物語の記事はこちら
Stories of Old Cars: 1 of Vol.12桁ナンバー物語 Vol.1 春日部33のブガッティ EB110(前編)近年、ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁は少なくなっている。2桁のクルマは、多くが20年以上所有され続けられている場合が多い。20年以上もおなじクルマに乗り続ける理由とは? 第1回は“春日部 33”のブガッティEB110を所有するオーナーをたずねたお話の前編。Stories of Old Cars: Vol.62桁ナンバー物語 Vol.6 横浜33のフェラーリ テスタロッサ (前編)近年、ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁は少なくなっている。[2桁のクルマ](https://www.gqjapan.jp/tag/stories-of-old)は、多くが20年以上所有され続けている場合が多い。20年以上もおなじクルマに乗り続ける理由とは? 第6回は“横浜33”の[フェラーリ](https://www.gqjapan.jp/tag/ferrari-29)「テスタロッサ」を所有するオーナーをたずねたお話の前編。Cars2桁ナンバー物語 Vol.11 横浜33の日産シーマと女優・伊藤かずえさん (前編)ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁のものは急速に減っている。2桁ナンバーのクルマは、20年以上所有され続けている場合が多い。それだけ長くおなじ1台に乗り続けるのはなぜ? 連載第11回は“横浜33”の日産「シーマ」を所有する女優・伊藤かずえさんをたずねたお話の前編。意外な愛車遍歴
中村さんがはじめて買ったマイカーは3代目のスズキ「アルト・ワークス」の新車だった。1988年に登場した、丸型2灯のヘッドライトに550ccの3気筒ターボを搭載した、ミニチュア高性能GTだ。
「ちょうどそのころ、トヨタ『スターレット』の“韋駄天ターボ”とか、ダイハツ『シャレード』のデ・トマソとか小さくて速い車が流行っていたんです。それに、免許を取得して最初に買うクルマで、運転に自信がありませんでしたので……アルト・ワークスは2年半所有しました」
アルト・ワークス売却後に今も所有するR32型GT-Rを購入。その後、レガシィ・ツーリングワゴンを買い足した。
「家族が増えたので、一時は日産の『エルグランド』(2代目)にも乗っていました。あとはスバルのディーラーと運営元がおなじだった縁で、ボルボにも乗っていました。ボディカラーが黄色の『V40 T4』は、お寺なのにこんなに派手な色のクルマに乗っていいものか悩んだ末に購入したのが懐かしいです(笑)」
バイクは“卒業”したそうだけれど、ハーレーにも乗っていたことがある。「スズキ『ジムニー』にも3台乗りました」と話す中村さん、かなりの自動車エンスージアストだ。
査定で“100万円”と言われた過去
R32型GT-Rを手放すことは考えなかったのでしょうか?
「実はR33型スカイラインGT-Rが登場しとき、悩みました。実際に見ると『大きいなぁ』と感じたし、人気もあまり高くなかった。『R33型だったらR32型の方が良いのでは?』という周囲の流れもあって乗り換えなかったんです。今となってはR33型のデザイン、結構好きなんですけどね」
1999年にR34型GT-Rが登場したときは?
「R34型は新車の車両価格がドーンと上がってしまい、買い換えようとは思いませんでしたね。しかも当時、R32型を査定に出すと100万円ほどしか値段がつかなかったのもあって、乗り続けることに決めました」
エルグランドの購入時も下取りの有無をディーラーで訊かれ、愛車のGT-Rはどうか? と、言ってみたところ、「正直、二束三文になってしまいますね……」と、担当者が申し訳なさそうに答えたという。
程度のいい個体であれば1000万円を超えてしまう今のR32型GT-Rの相場からすると、驚きの話だ。
愛のスカイラインGT-R編、後編へとつづく。
2桁ナンバー物語の記事はこちら
Stories of Old Cars: 1 of Vol.12桁ナンバー物語 Vol.1 春日部33のブガッティ EB110(前編)近年、ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁は少なくなっている。2桁のクルマは、多くが20年以上所有され続けられている場合が多い。20年以上もおなじクルマに乗り続ける理由とは? 第1回は“春日部 33”のブガッティEB110を所有するオーナーをたずねたお話の前編。Stories of Old Cars: Vol.62桁ナンバー物語 Vol.6 横浜33のフェラーリ テスタロッサ (前編)近年、ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁は少なくなっている。[2桁のクルマ](https://www.gqjapan.jp/tag/stories-of-old)は、多くが20年以上所有され続けている場合が多い。20年以上もおなじクルマに乗り続ける理由とは? 第6回は“横浜33”の[フェラーリ](https://www.gqjapan.jp/tag/ferrari-29)「テスタロッサ」を所有するオーナーをたずねたお話の前編。Cars2桁ナンバー物語 Vol.11 横浜33の日産シーマと女優・伊藤かずえさん (前編)ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)は3桁が主流になり、2桁のものは急速に減っている。2桁ナンバーのクルマは、20年以上所有され続けている場合が多い。それだけ長くおなじ1台に乗り続けるのはなぜ? 連載第11回は“横浜33”の日産「シーマ」を所有する女優・伊藤かずえさんをたずねたお話の前編。【2桁ナンバー物語 過去記事】
Vol.1 春日部33のブガッティ EB110 前編/後編
Vol.2 品川35のアルピナB8 4.6 リムジン 前編/後編
Vol.3 練馬34の日産 ステージア 前編/後編
Vol.4 八王子33のディーノ246GT 前編/後編
Vol.5 三重33のBMWアルピナ 3.0CSL B2S 前編/後編
Vol.6 横浜33のフェラーリ テスタロッサ 前編/後編
Vol.7 横浜34のポルシェ 911 前編/後編
Vol.8 品川35のランチア・テーマ・ステーションワゴン 前編/後編
Vol.9 品川35のランチア・テーマ8.32 前編/後編
Vol.10 品川33のメルセデス・ベンツ500SL 前編 /後編
Vol.11 横浜33の日産シーマと女優・伊藤かずえさん 前編 /後編
Vol.12 湘南33のトヨタ・ランドクルーザー・プラド 前編 /後編
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
自分にとってこの神格化はチト不快だな・・・
あと、イナガキごときがGT-Rに関わるな。