新型ホンダ インサイトは街乗りが絶品。高速ではアメ車的ユルさとエンジン音が気になる
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
1999年に登場した初代「インサイト」は衝撃だった。「NSX」と同じオールアルミボディの2ドアクーペで、世界最高燃費を確立しながら、軽快な走りを併せ持ち、その商品性から僕も所有していたほどだ。
そして今回紹介するのは4年ぶりに復活した3代目となるホンダ インサイトだ。ハードル上げ気味な気もするが、何か見せてくれるはずと期待しつつの試乗となった。
3代目のパッケージは日常ユースを重視するクルマとしてセダンボディが選ばれた。オヤジ臭さが漂うセダンではなく、全長4675×全幅1820×全高1410mmのロー&ワイドフォルムに、ルーフからCピラーへ続くシルエットの視覚効果などによってスポーティな印象が漂う。日本仕様はグリルとボンネットにクローム加飾が加えられ、ハイブリッドとかエコカーという印象は全くない。
ちなみに重量バランスや低いボンネットラインを確保する狙いから、12Vバッテリーを車内の電子シフトスイッチ下に持ってくるなど、パッケージも工夫が凝らされる。
室内を含めた実用性は、ベースとなったシビックのFFパッケージの良さがそのまま活かされている。ハイブリッドバッテリーをリアシート下に収めているので、ハイブリッド化のデメリットは皆無。6:4分割のトランクスルー機構はあるし、トランク自体の広さも通常時で519Lと十分だ。手前側には小さいが床下収納まである。
後席も膝元には十分な余裕があるが、デザインを優先した影響かヘッドクリアランスは身長170cmでも若干圧迫感がある。大人4人での移動を頻繁に行うとか大柄な人は実車で確認した方が良いだろう。
運転席周りで気になるところを挙げておくと、内装の質感をもう少し高めたい。今までとは違い、約326万円スタートの車両価格は高級車の部類に入ってくるので、もう少し質感が欲しいということだ。ただ、作り込みや実用性は優れている。センターコンソールの小物入れに始まり、電子シフトボタンのスッキリとした操作系、その横にはスマホの置きやすさを考慮した小物トレイやUSBジャックがある。まさに、日本車らしい気配りを感じる部分だ。
メーター周りの視認性も良い。左側がパワーメーター表示なので、ここでハイブリッドであることを再認識するだろう。パワーメーターは液晶ディスプレイで、エネルギーフローや安全支援情報など、多彩な表示が見やすいのも好印象。
ここまでは使い勝手の良いスポーティなセダンといった印象で、ハイブリッド感を漂わせないのはみごとだ。ただ、どことなく期待値を超えるほどではない。
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