新型ホンダ インサイトは街乗りが絶品。高速ではアメ車的ユルさとエンジン音が気になる
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
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走り出して即座にわかるのは一級の静粛性だ。フロントからの音の侵入を防いだ効果だけでなく、リアタイヤ周りで発生した音がトランクスペースで消音される、セダンらしい静粛性がある。
この静粛性をハイブリッドシステムが引き立てる。ホンダ・ハイブリッドの中核をなすi-MMDシステムでは、エンジンは発電機として使われ、駆動は電気モーターが担う。一見、日産のe-POWERに似ているが、エネルギー効率の良くない高速走行領域になるとエンジン直結クラッチがつながり、エンジン駆動ができるところが違う。すでに「アコード」や「CR-V」「ステップワゴン」「オデッセイ」に搭載されているが、それらは2.0Lエンジンとの組み合わせで、インサイトにはi-MMDとして初の1.5Lエンジンが積まれる。
これが排気量こそ小さいが、街中では力不足感は皆無で、むしろ力強いレベルだ。電動モーターが発生する最大トルクは2.5L級のエンジンと同じ267Nm。それを停止状態の低回転から必要に応じて自在に出せるのだから、力不足感など抱くわけがない。
それでいて、電気モーター特有の静かで滑らかな加速特性が手に入る。もちろん、街中でも強めに踏み込めばエンジンは掛かるが、常識的な加速レベルであれば掛かっても最低回転数+α。唸る感覚はなく、前述した静粛性からかなりの完成度だと思った。
ブレーキタッチもみごとだ。ハイブリッド車にありがちな、踏み始めに回生ブレーキが加わって唐突に減速感が強まる違和感はほぼない。カックンブレーキになるのを嫌って繊細な踏力調整をするようなシーンもリニアに反応して、スムーズに止まれる。
試乗車は、EXグレードだったので17インチタイヤを履いていたが、乗り心地にも硬さは感じない。遮音性が高いので、突き上げ感だけでなく、突き上げ音も少ない。街中を走る限り、かなりご機嫌なセダンであることは間違いない。
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