ポルシェ マカンはSUVで唯一、感動レベルのハンドリングをもっている
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:ポルシェジャパン
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マカンのエンジンは従来の2L直4ターボの小改良版。WLTPへの対応など、排ガスと燃費を中心とした小変更を加えている。試乗した欧州仕様のスペックは245ps/370Nmと従来モデルより最高出力がわずかに落ちた(日本仕様は従来と同じ252psと発表されている)。一方マカンSはエンジンをポルシェ製の3L V6からアウディ開発の3L V6に換装。こちらは354ps/480Nm(欧州仕様)と、従来比14ps/20Nmのプラスとなる。ちなみにVWグループでは開発の効率化を図るため4気筒エンジンはVW、6気筒エンジンはアウディ、水平対向エンジンと8気筒エンジンはポルシェという役割分担をすることになり、今回はそれを受けてのエンジン換装となる。
まずはマカンで走り出す。マイナーチェンジ前から4気筒モデルを僕は高く評価していた。エンジンサウンドこそ痛快とは言えないものの、雑味と表現できるような振動はほとんどないし、ポルシェであることを考慮に入れたとしても必要にして十分プラスαの動力性能をもっていたからだ。実際、0-100km/h加速はわずか6.5秒。これだけのダッシュ力があれば物足りなさを感じる心配はいらない。まあ上には上があるけれど、日本の「低速」道路環境下である程度回して楽しめるのも、このエンジンのいいところだ。
「マカン S」のV6は、マカンの4気筒よりスムースかつパワフルだ。とはいえ決して爆発的なパワー感というわけではなく、どこからでもフラットなトルクが淀みなく湧き上がる。スポーティとかキレとか熱さとか、そういったキャラクターよりも上質な速さが前面に出ている。相変わらず回すと痛快なポルシェサウンドを聴かせてはくれるが、マイナーチェンジ前のV6のほうがポルシェエンジンらしかったと感じる人もいると思う。
もっとも、マカンに本格スポーツカー的な走りを求める人の期待に応えるのは、今後出てくるであろうより高性能な「マカン ターボ」や「GTS」の役目なのかもしれない。
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