マニアも注目した“素”の新型シビック。圧倒的なシャシー性能とさらに望みたいこと
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:篠原 晃一 1
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そんな日本仕様シビックの価格は265~280万円強。額面だけ見ると国産Cセグメントとしては明らかに高額だが、GTIレベルの性能で、しかも安全デバイスを含めてナビ関連以外は最初からほぼフル装備状態であることを考えると、内容的には割高ではない。
こういうラインナップになっているのも、さすがに7年2世代ぶりのシビック復活とあって、まずは様子見といった部分も大きいからだろう。1.5リッターターボ(とタイプR)のみなのも「今どき日本でシビックを欲しがるのは、かなりの走りマニアにして、コアなホンダ好き」と定義したからだし、メーカーオプションの選択肢をほとんど用意しなかったのもハッチバックが輸入車であることも含めて、当初は大量販売を見込んでいないからだ。
まあ、それでもシビックを復活させてくれたことには、クルマ好きのひとりとして歓迎の拍手を送りたい。しかし、あえていうと、今どきの1.5リッターターボのCセグメントがスポーティで速いのは当たり前。シャシーもおそらく国産車では圧倒的にトップの能力といっていいが、シャシー性能だけでクルマを選ぶ人も少ない。このクラスで300万円近い選択肢しかないのは、やはりハードルが高い。
シビックはグローバル商品だけに、これ以外にも魅力的なバリエーションがある。たとえば欧州などで販売されている1.0リッター3気筒ターボだ。これは日本ではまだ見ぬ最新鋭ダウンサイジングエンジンで、自然吸気1.8~2.0リッター相当の性能をもち、6MTだけでなく2ペダルのCVTの用意もある。
この立派なボディが1.0リッターで軽々と走るとあれば、1.5リッターのスポーツモデルよりインパクトはずっと大きい。シビックが日本でも本格復権するとすれば、この1.0リッターターボのようなモデルもきちんとラインナップされて、それが販売の主力になってこそ……だろう。
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